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広報誌「かけはし」

時評

“マイナ保険証”に想う

河野太郎デジタル相が10月13日、現行の保険証を2024年秋に廃止する方針を発表した。これにより「マイナ保険証」が実質義務化となる。

6月7日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2022」では、「オンライン資格確認について、保険医療機関・薬局に、2023年4月から導入を原則として義務付けるとともに、導入が進み、患者によるマイナンバーカードの保険証利用が進むよう、関連する支援等の措置を見直す」と明言。「2024年度中を目途に保険者による保険証発行の選択制の導入を目指し、さらにオンライン資格確認の導入状況等を踏まえ、保険証の原則廃止を目指す」と示された。

その後、10月の診療報酬の改定実施、保険証廃止期日の発表と続き、現実化に向けて動き出している格好だ。

マイナ保険証を利用することにより、「オンライン資格確認等システム」上に記録された、患者の受診歴や特定健診の結果、薬剤情報などが確認できる。

医師や薬剤師は患者の同意を得たうえで、こうした情報を閲覧でき、重複する投薬・検査の回避や慢性疾患を踏まえた治療が可能となる。

現段階では、マイナンバーカードの交付率、医療機関におけるインフラ対応ならびに利便性やセキュリティ面についての国民の理解など、数多くの課題はあるものの、このように患者がより良い医療サービスを受けられるよう、是非とも“やりきる思い”で進めていただきたい。

そもそもマイナンバー(12桁の個人番号)は、社会保障・税・災害対策の分野においてのみ活用されることとなっているため、マイナンバーカードが医療の分野で利用されることに違和感を持つ人もいるだろう。

マイナンバーカードで受診した場合は、カードのICチップ内の利用者証明用電子証明書を利用して資格等の確認を行うので、医療機関・薬局が個人番号そのものを取り扱うことはない。

マイナ保険証のメリットと合わせ、さらに国民に分かりやすく説明する必要がある。

マイナンバーカードの健康保険証利用の本格運用がスタートして、10月20日で1年が過ぎた。

行政や医療の分野におけるデジタル化が加速を続けていくなか、マイナ保険証の実質義務化という“大胆な変革”は、中間サーバーへの正確かつより迅速な情報連携など、我々保険者にも業務の変革を鋭く迫る。

いよいよ待ったなしだ。

(M・O)