1月の理事会から
1月19日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。
1.中央情勢
(1)2022年度政府予算等
①政府予算総額は、対前年度比9900億円増の107.6兆円。社会保障関係費は同4400億円増の36.3兆円となった。内訳は、今年度予算35.8兆円に、いわゆる自然増分がプラス6100億円、制度改革効率化等でマイナス2200億円、消費税増収による社会保障の充実でプラス1200億円を計算したもの。
②2022年度は診療報酬の改定が行われる。診療報酬全体でプラス0.43%、国費でプラス292億円となった。その中身は、看護職員の処遇改善でプラス0.20%、リフィル処方せん導入でマイナス0.10%、不妊治療の保険適用でプラス0.20%、小児の感染防止対策加算措置の期限到来でマイナス0.10%、その他本体改定率がプラス0.23%。また、薬価等については、薬価マイナス1.35%、材料価格マイナス0.02%で、合計マイナス1.37%となった。
この結果について健保連として「一部の後期高齢者の窓口負担割合を2割に引き上げる時期を、2022年10月1日からと示したことは評価できる。しかし、今後の高齢化に伴う拠出金負担の増加を考えると十分ではなく、次期改革に向けた議論を速やかに開始すべきである。今般の診療報酬0.43%引き上げが大臣合意されたことは、前回改定率と比べて小幅であるが、薬価等の引き下げが国民に還元されず誠に遺憾である。今後は、入院医療の評価や薬剤給付の適正化など、これからの方向性を踏まえて、中央社会保険医療協議会での議論を尊重し、改革を着実に進めていくべき」との見解を示した。
③健保組合関連予算については、今年度と大きな違いは見られない。
(2)改革工程表2021
2022年から、団塊の世代が75歳以上となるなか、メリハリのある診療報酬改定や効率的な医療提供体制の整備等の改革を進め、社会保障の質の向上と国民負担の軽減を目指すため、次の4点が示された。
①地域医療構想の実現:2022および2023年度において、民間医療機関も含めた各医療機関の対応方針の策定や、検証、見直し、検討状況の定期的な公表を求める
②2022年度診療報酬改定における対応:さらなる包括払いや一定期間内に処方せんを反復利用できる方策、医師の働き方改革、かかりつけ医機能等にかかる必要な見直し
③かかりつけ医機能の明確化:かかりつけ医機能が有効に発揮されるための具体的方策について、2022および2023年度において検討
④後発医薬品の使用促進:品質および安定供給の信頼性確保を図りつつ、2023年度末までに、使用割合をすべての都道府県で80%以上とするKPIを新設。
(3)オンライン資格確認等の動向
12月19日の段階で、顔認証付きカードリーダー申し込み数は12万9742施設で、全体22万9221施設の56.6%。これは、4月からほぼ横ばいであり、明確に頭打ちの状況となっている。運用の準備が完了しているのは、3万1331施設で、同13.7%。運用を開始しているのは2万1288施設で、同9.3%となっている。
このような状況において厚生労働省は、導入加速化に向けて集中的に取り組みを行うため、支払基金やシステム事業者からや、地域単位での医療機関や薬局への個別の働きかけ等の対応を検討するとのこと。
健保連は「導入状況を見る限り、期限内に目標を達成することは極めて難しい。一方で、マイナポイント申請時の申し込みが増えているが、どこで使えるのか分からないという苦情が増えることは間違いない。医療機関等への働きかけについて、厚生労働省として検討中の事項については、ぜひ実効性の高い内容にすることや、2023年3月までのプロセスについて、具体的な数値目標設定と進捗管理をお願いしたい。また、現在の登録方法では、ヒューマンエラー等を完全に防ぐことは難しいため、システム的な対応ができないか等を含めて厚労省でも検討してほしい」との意見を出した。
2.大阪連合会活動
(1)広報委員会
12月13日に開催。かけはし1月号の編集概要と、次年度からのかけはし発行時期の変更について報告があった。
(2)報告事項等
川隅専務理事から、次の2点について報告があった。
①12月8日に「あしたの健保組合を考える大会PART6」を開催。154人にご参加いただいた。皆様の協力によって無事終えることができたことにお礼を申し上げる。
②1月13日に厚生労働省から、2020年度における保険医療機関等の指導監査等の実施状況について発表された。件数については、新型コロナウイルス感染症の影響で激減している。また、医療費通知等により発覚する請求疑義についての情報提供があれば、その提供方法等について説明させていただくので、連絡くださいますようお願いする。