広報誌「かけはし」
 

■2021年2月 No.593



 当初、1月22日(金)に近畿厚生局の担当官を講師として「組合業務別実務講習会(監査の要点等)」を開催する予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が大阪府等に発令されたことから、集合形式による講習会を中止した。
 本稿では、近畿厚生局が説明する予定であった監査結果等の一部を紹介する。
〇実地指導監査の結果から
 例年 指摘が多い事項
事故防止の観点から、支払証拠書(柔整療養費や領収書等の添付書類も含む)すべてに支払済表示を行うとともに、収支決議書は、月単位で収入・支出別に款・項・目、決裁日順に並べ、差し替えできないように編綴・製本すること。
健康保険組合の経費が、事業主および被保険者の保険料で賄われていることから、会議費・雑支出・厚生経費等は、規程等に基づく適正な支出とし、真に組合運営に必要な支出に限ること。
監事の選出は、法令に基づき、組合会において実施すること。
医療費適正化の観点から、被保険者証の検認は毎年実施すること。
健康管理事業推進委員会を設置し、保健事業の企画立案・実施結果の分析と評価を行う委員会として活用し、効率的かつ効果的な保健事業を実施すること。
被扶養者を含む特定保健指導の実施率向上に向けた対策を講じること。
個人情報の保護および費用対効果向上の観点から、外部委託業務について定期的に実地確認を行うこと。
各規程について、長期間見直しされていないものが見受けられるので、点検の上必要に応じて改定すること。
 令和2年度に指摘が多かった事項
個人情報保護管理規程に基づき、役職員および組合会議員に対し教育研修を実施し、その事跡を残すこと。
システム運用管理規程に基づき、役職員に対し教育研修を実施し、その事跡を残すこと。
個人情報保護および事故防止の観点から、執務環境をはじめ個人情報の管理体制を整備するとともに、問題発生時の連絡体制を整備すること。
被保険者証を含め個人情報の廃棄を外部委託により行うときは、覚書等で個人情報の取り扱いを定めるとともに、決裁後に行い廃棄証明書を取得すること。
公告は、健康保険組合規約で定めている方法により行うこと。
年間購読図書等の前払金は、前払金整理簿で管理し、支払先への義務履行が、会計年度内に得られるものに限ること。
災害時における一部負担金等の納付猶予および減免に関する規程を定めること。
特定健康診査等実施計画における特定健康診査および特定保健指導の目標実施率は、国の参酌基準に照らした目標値とすること。
〇個人情報保護の対策
基づく法令やガイドライン:個人情報保護法(個人情報の保護に関する基本方針)/行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律/健康保険組合等における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス/「ガイダンス」を補完する事例集(Q&A)/特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)
マイナンバー制度と規程:【基本方針】情報セキュリティ基本方針(プライバシーポリシー、利用目的等の公表)/【基本規程】個人情報保護管理規程/【運用規程】システム等運用管理規程・機密文書管理規程・文書保存規程
個人情報保護法に基づき整備すべき事項:@利用目的の特定と通知(公表)(個法第15、16、18条)/A第三者提供の制限(個法第23条)/B安全管理措置(個法第20条)/C従業者・委託先の監督(個法第21、22条)/D開示(個法第28条)
自己点検シートによる点検:@担当者も、定期的な自己点検に取り組む/A点検結果から見えてきたこと、改善すべきことは何か/B監事の方々にも、自己点検シートを活用いただく/C常務理事や監事が行った点検結果は理事長に報告し、理事長は点検内容を把握したうえで、必要な業務改善を行う
〇健康保険組合の事業運営〜監査結果を踏まえて(まとめ)
健康保険制度の目的と基本的理念:健康保険組合設立の目的を、もう一度思い出す。
健康保険組合事業運営基準:独立した公法人として、諸法令を厳正に遵守しているか。
適正な事業運営のために(経理事故の防止):不正は起こらないと考えていないか。対策を実施する。
実地指導監査の結果から:事業には根拠があり、基づく法令、通知、規約等がある。
個人情報保護(自己点検シートによる点検):あなたの組合の「個人情報保護対策」の状況はいかがか。