広報誌「かけはし」

■2020年12月 No.591



 11月11日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。

1. 中央情勢

(1) 医療費の動向等
   2020年8月診療分について。被用者保険計における1人当たり医療費は対前年度△3.55%、健保組合1人当たり医療費は同△4.59%。ただし、休日補正をかけると、被用者保険計における1人当たり医療費は対前年度△0.95%、健保組合1人当たり医療費は同△1.99%。なお、7月診療分については、休日補正後の被用者保険計で対前年度比△2.86%、健保組合は△3.94%である。これらから、落ち込んでいた医療費がどんどん回復していることが分かり、前年並みに戻りつつあるというのが現在の状況である。
 また、新型コロナウイルス関連による保険料納付猶予の動向について、介護保険を含む保険料の納付猶予は、9月単月で45億円、これまでの累計で280億円である。なお、追納を控除すると256億円となっている。
(2) ICT関連
   電子申請については、11月から資本金が1億円超の法人等に義務化される。しかし、コロナ禍によるシステム改修の遅れや人員確保が困難な状況にあることから、厚労省は電子申請についての事務連絡を出した。健保連は、人事給与システム提供事業者への改修対応について、厚労省に対してこれまで以上に働きかけを強く求めていく。
 オンライン資格確認については、10月から資格者情報の登録が始まっている。中間サーバーに登録されているマイナンバーに対するデータクレンジングは、当初、国ではできないとのことで、個々の保険者で行っていた。しかし、政府内で検討した結果、国において行う方向性が示された。これにかかる費用は、保険者に求めない方向で調整している。
(3) 2018年度特定健診・特定保健指導実施状況
   特定健診について、保険者全体での受診率は54.7%(対前年度比1.6%増)、健保組合は78.2%(同0.9%増)となった。
 特定保健指導については、保険者全体での実施率は23.2%(同3.7%増)、健保組合は25.9%(同4.5%増)となった。特に特定保健指導においては、第3期から実施に関する要件が緩和されたことにより、各保険者が見直しのポイント等をうまく活用しながら取り組んでいることが推察される。

2. 本部委員会報告

(1) 組織等委員会
   11月6日に開催。@都道府県連合会助成金の検証および見直しについて、事務局から、助成金の検証結果の報告があり、今後の対応等について検討を行ったA次年度の会費について、新型コロナウイルス感染症の影響等により、会員組合の財政状況はより厳しい状況が見込まれることや、収入・支出の面を考慮して審議を行い、次回の委員会にて決定する。
(2) 審査支払対策委員会
   10月20日に開催。支払基金から、支払基金改革について、審査事務の集約化、審査基準の統一化等の進捗状況や、事務手数料の設定方法の検討状況などについて説明があった。
 健保連として、支払基金改革に遅れが生じたり、それにより保険者が追加負担を被ったりすることがないよう求める。また、次年度の事務手数料の協議に当たっては、支払基金に対して徹底した業務の効率化、人員のスリム化など、経費削減の努力を従来同様に求める。
(3) 交付金交付事業委員会
   10月21日に開催。@今年度の組合財政支援交付金の概算交付について、申請があった19組合に対し交付割合50%で交付するが、長期間・多数回の交付を受けている健保組合はヒアリング対象とするA今年度以降の交付金交付事業における高額医療交付金について、財源の見直しや交付率の設定などを行う。財政支援交付金については、団塊の世代が後期高齢者になる2022年度に向けて、交付金の在り様について議論を行う方向性が示されたB組合運営サポート事業について、基本的にメニューの継続・拡充をする方向性が示された。

3. 大阪連合会活動

(1) 広報委員会
   10月22日に開催。かけはし11月号の編集概要について報告された。
(2) 報告事項等
   川隅専務理事から、次の3点について報告等があった。
 @男性の育児休業における保険料免除の状況について。今年2月のアンケート調査の結果から、特定の月における短期間の取得が多くを占めた。今後、新たに創設されると見込まれる男性の育休の仕組みを含め、取得のタイミングによらず保険料免除を活用できる方向性について議論される予定A10月3日に開催した「あしたの健保組合を考える大会PART5」の記事が、11月13日付の日本経済新聞(朝刊)に掲載されるB「上手な医療のかかり方アワード」について、今年も応募期間が設けられている。昨年度の優秀賞を受賞したダスキン健保組合の取り組みが、10月22日のオンラインイベントで紹介された。