広報誌「かけはし」

 

■2020年7月 No.586


   今回は、エネルギーや栄養素の働き、栄養強調表示に関する情報をお伝えします。
   エネルギーや栄養素の働き
   容器包装に入れられた加工食品等には、エネルギー及びたんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム(食塩相当量に換算したもの)等の栄養成分の含有量が表示されています。
 ここでは、それらの働きについて紹介します。
  エネルギー
   エネルギーは、生命機能の維持や身体活動に利用されます。エネルギーの摂取量と消費量が等しいとき、体重の変化はありません。健康の保持・増進、生活習慣病予防のために、望ましいBMIを維持するよう摂取と消費のバランスをとることが大切です。エネルギーを産生する栄養素には、たんぱく質、脂質、炭水化物の3つがあります。
  たんぱく質
   たんぱく質は、人体の骨格や筋肉などの組織を構成する主要な要素であるとともに、酵素やホルモンの材料として代謝を調整するなど様々な機能を果たしており、生命機能の維持や身体活動に不可欠です。肉、魚、卵、大豆・大豆製品、乳・乳製品等に多く含まれています。
  脂質
   脂質は、細胞膜の主要な構成成分です。また、脂溶性ビタミンの吸収を助けます。人の生命機能の維持に不可欠なエネルギー源である一方、摂りすぎると肥満や心疾患のリスクを高めます。脂身の多い肉、油、マーガリン、バター、油を多く使った揚げ物やスナック菓子、洋菓子に多く含まれています。
  炭水化物
   炭水化物の最も重要な役割は、エネルギー源としての機能です。炭水化物は糖質と食物繊維に分けられ、糖質は体内で分解されるとぶどう糖などになります。脳や神経組織等の組織は、通常ぶどう糖しかエネルギー源として利用できないため、糖質は重要な栄養素です。しかし、とり過ぎると体内で脂肪に変わり、肥満の原因となります。ご飯、パン、麺、芋、砂糖、砂糖を多く使ったジュースや菓子に多く含まれています。
  食塩相当量
   食塩は、ナトリウムと塩素からできています。栄養成分表示では、「ナトリウム(r)×2.54÷1000=食塩相当量(g)」の計算式で、食品中のナトリウム量を食塩の量に換算して表示されています。ナトリウムは、体の浸透圧を調節しており、生命機能を維持するために必須のミネラルですが、とり過ぎると高血圧や胃がんなどの病気を引き起こす可能性があります。1日当たりの食塩相当量の目標量は、成人男性で7.5g未満/日、 成人女性で6.5g未満/日です。
   栄養強調表示の意味を知って、食生活に役立てましょう
   栄養成分表示以外に、「ビタミンCたっぷり」や「塩分ひかえめ」といった表示を見かけたことはありませんか。それらは栄養強調表示と呼ばれています。栄養強調表示は、不足や過剰摂取によって健康の保持・増進に影響がある栄養素等について、基準に基づき表示をすることができます。栄養成分が多いことや栄養成分等が少ないことを強調する場合の表示は100g(飲料の場合は100ml)当たりで基準が決まっています。
【消費者の方向け】栄養成分表示の活用について
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/health_promotion/consumers/
 あなたに必要な栄養素等をバランスよく摂取するために、栄養成分表示や栄養強調表示を活用しましょう。詳しくは、消費者庁ホームページをご覧ください。