広報誌「かけはし」
 

■2017年7月 No.550



 6月14日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。はじめに、出席者の交代があった理事組合(東洋紡、クラシエ)の紹介があった。

1. 中央情勢

(1) 介護保険法等改正法
   介護納付金の総報酬割を盛り込んだ介護保険法等改正法が、5月26日に可決、成立した。成立までの国会審議の経緯は次のとおり。
 ▽衆議院=3月28日に本会議で代表質問。3月29日〜4月12日まで計6回、厚生労働委員会で質疑(4月14日には補充質疑を実施)。4月18日に本会議で可決。
 ▽参議院=5月17日に本会議で代表質問。5月18日〜25日まで計3回、厚生労働委員会で質疑。5月26日に本会議で可決、成立。
 改正法の成立を受けて、健保連の大塚会長は5月29日、「政府案通りに成立したことには強い憤りを覚える」とのコメントを発表した。
(2) 社保審医療保険部会
   5月17日の医療保険部会で厚労省は、先発医薬品価格のうち後発医薬品にかかる保険給付額を超える部分の負担のあり方について、論点を示した。@先発品と後発品の差額を患者負担とする、A患者負担にはせず、先発品の薬価を後発品まで引き下げる――の2点。
(3) 規制改革推進1次答申で支払基金改革を指摘
   規制改革推進会議(総理大臣の諮問機関)は5月23日、「明日への扉を開く」を副題とした規制改革推進に関する第1次答申をまとめた。
 このなかでとくに、支払基金での審査の効率化と、統一性の確保に関する見直しを指摘した。具体的には、実施工程(カッコ内)も示して、@機能ごとに分解可能なコンピュータシステムの構築(29年上期結論)、A支部の集約化・統合化の推進(29年検討・結論)、B審査の一元化に向けた体制の整備(29年検討・結論)――をあげた。
(4) 地域医療構想
   厚労省のワーキンググループの資料をもとにした健保連のまとめによると、4種類の機能別病床の合計数は、平成27年度に125.7万床だったが、地域医療構想によると、37年度には119.1万床に減少する。
 高度急性期病床はやや減少、「急性期」が約3割減、「回復期」が約3倍増、「慢性期」が約2割減となる。都道府県別では、大都市を抱える地域での増床が予測される。
(5) 医療費の動向
   28年4〜12月累計の医療保険医療費は、30兆8000億円。日数補正後の対前年度伸び率は0.0%。12月の伸び率は1.6%減。特徴は、被用者保険本人の2.6%増に対して、国保は6.5%減。10〜12月の人員は、被用者保険本人が100万人増なのに対して、国保が160万人減となっており、「適用拡大」の医療費への影響があるとみられる。
 12月の調剤薬局の後発医薬品使用割合(数量ベース)は67.9%。「29年半ばに70%」との政府目標に向けて、堅調な伸びを示している。
(6) 中間サーバー等経費の保険者負担
   番号制度の中間サーバーにかかる運用経費等の削減状況について、厚労省から健保連本部に説明された。
 それによると、29年7月〜30年3月の必要経費は、これまで約75億円としていたが、システム運用時間を短縮し運用・保守費用の見直しを図るなどで経費を削減し、先の提示額より約26.5億円減の約49億円とした。

2. 大阪連合会報告

(1) 診療報酬対策委員会
   6月5日に開催。厚労省と支払基金が出席し、「業務効率化計画・工程表」を提示、説明した。内容は、@審査基準の統一、A審査業務の効率化、B新たな審査・支払業務システム、C審査・支払業務の効率化、D基金本部機能の強化、E支部組織の見直し、F業務効率化による人員体制のスリム化――など。
 これに対して委員から、基金改革に向けた自らのアクションプランを明確にすべきなど、意見が相次いだ。
 審議の結果、厚労省、基金に対して、基金改革の工程表の速やかな策定を求める要請書を提出することとした。

3. 大阪連合会活動

(1) 広報委員会
   5月24日に開催。かけはし6月号の編集概要について報告された。
(2) 報告事項
   川隅専務理事から、7月29日に開催するイベント「あしたの健康保険、だいじょうぶ? 健康みらいトークin大阪」について、大要次のとおり案内された。
▽日時:7月29日(土) 14時〜16時20分
▽場所:大阪市中央公会堂 大集会室
▽内容 ○講演「いつまでも若く生きる秘訣」 講師・生島ヒロシ氏(フリーアナウンサー)
○パネルディスカッション 「健康で元気な社会のために」 コーディネーター・梅村聡氏(医師、前参議院議員)、パネリスト・長尾敬氏(衆議院議員、自由民主党)、伊佐進一氏(衆議院議員、公明党)、松浪健太氏(衆議院議員、日本維新の会)
▽対象:一般市民 800人程度