広報誌「かけはし」
 

■2016年8月 No.539



 7月13日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。会議の始めに、出席者の交代があった理事組合(住商連合健保)の紹介があった。

1. 中央情勢

(1) 今後の活動と主張
   平成30年は、診療報酬・介護報酬同時改定の実施、国保の都道府県単位化実施の年となる。2年後までの課題は、@医療・介護提供体制の整備 A医療保険・介護保険制度改革 B国保改革に対する被用者保険の関わり―などである。
 今年度末には各都道府県で地域医療構想が整い、その後、医療計画策定の運びとなる。医療機能の分化と医療・介護連携の進展が注目される。
 医療保険制度については、高齢者の一部負担強化、薬価はじめ医療費の適正化などが課題となっている。
 健保組合に関わる問題としては、特定健診の内容の再検討と、実施状況にかかる加算・減算問題、データヘルス本格化へ向けての課題解消、短時間労働者の適用問題などがある。
 このような状況下、首相から消費税率引き上げ再延期方針が示された。
 今後の要求実現活動は、@高齢者医療の負担構造改革の実現 A医療費適正化対策の推進 B健保組合に対する財政支援の継続・拡充 C介護保険制度の見直し―に重点を置いて主張していく。
(2) 療養病床
   平成18年の医療保険制度改革で、介護療養病床を23年度末までに廃止し、医療療養病床、老健施設、特養ホームに転換することが決定された。
 しかし、転換は進まず、23年に廃止・転換期限を29年末度まで延長することとされたが、その期限も迫っている。医療関係者側は、再延長を要望している。
 27年3月現在、介護療養病床は6.3万床ある。健保連は、機能分化と医療費適正化の両面から、当初計画の確実な実施を主張している。
(3) 医療費の動向
   27年4月〜28年1月の医療費の伸び率は、対前年度同期比3.3%増となっている。このうち調剤医療費の伸び率が8.7%増と高い。
 「医療費の動向調査」では、今回から各医療保険別の人数の対前年度比欄が付加された。それによると、被用者保険本人は1.6%増。医療費の伸び率は5.4%増となっており、医療費の増加は人員増の影響が大きいことがわかった。
(4) 平成28年度円滑化補助金
   @既存分の補助金は約195億円の見込み。交付要件は次のとおり。
 拠出金の所要保険料率が健保組合平均(4.01%)の1.1倍以上、かつ被保険者1人あたり総報酬が564万円未満の272健保組合が交付対象。
 A新規分の補助金は約168億円の見込み。交付要件は次のとおり。
 加入者1人あたり前期高齢者納付金の23年度から28年度への伸び率が1.36倍以上の組合。拠出金の所要保険料率が全組合中、下位3%に入る組合を除く。458組合が交付対象。
 @とAが重複するのが54組合あり、実質676組合が交付対象となる。

2. 本部委員会報告

 大阪選出の本部委員会委員から、開催された本部委員会の議事概要が報告された。開催状況は次のとおり。6月20日・交付金交付事業、28日・診療報酬対策、29日・組織等、7月1日・医療制度等対策(議事の詳細は本部イントラに掲載)。

3. 大阪連合会活動

(1) 広報委員会
   広報委員会から、かけはし7月号の編集概要について報告された。
(2) 医療給付委員会
   6月30日、委員会とレセプト担当部会(小委員会)の合同会議を開催。マイナンバー導入に関する健保組合実務について協議した。今後、各地区会で事例、問題点を収集、大阪連合会に集約し、合同会議で検討すること、また、マイナンバーについての研修会を開催することとした。
(3) 平成27年度大阪連合会事業報告・決算
   平成27年度の活動報告と、それにともなう決算報告、および円滑化事業報告・同決算報告があった。
 27年度決算は、収入1億5288万円、支出1億0985万円で、差引4303万円の残金は28年度に繰り越すこととした。案件は異議なく了承され、総会に上程される。
(4) 平成27年度健保組合決算
   大阪府下166健保組合の27年度決算見込みの報告があった。
 経常収支は148億円の黒字となったが、保険料率引き上げ(36組合)の影響が大きく、75組合が赤字を計上した。(詳細は「平成27年度 健康保険組合(大阪)決算見込み」ページ参照)