広報誌「かけはし」
 

■2016年4月 No.535



 3月11日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。

1. 中央情勢

(1) 社保審介護保険部会
   社会保障審議会介護保険部会が2月17日、2年ぶりに開催された。この日の部会では、介護保険をとりまく状況と主な検討事項、今後のスケジュールについて、厚労省から説明があった。
 平成37年(2025年)の65歳以上の高齢者人口は、全体の30.3%にあたる3657万人、このうち75歳以上は2179万人(全体の18.1%)になる。今後10年間で、とくに大阪府など大都市をかかえる府県で高齢者人口が増える見込みだ。
 一方、介護保険料を負担する40歳以上の人口は、平成12年の制度創設以来、増加してきたが、33年をピークに減少する。27年度の1人あたり保険料月額は全国平均5514円。32年度には6771円、37年度には8165円に上昇すると見込まれる。
 同部会での重点検討課題として、地域包括ケアシステムの推進と、介護保険制度の持続可能性の確保をあげた。具体的には、給付の範囲のあり方と、利用者負担や総報酬割化など負担のあり方を検討する。スケジュールとしては、30年度に予定される診療報酬と介護報酬の同時改定を目途とした。
(2) 社保審医療部会
   2月18日の会合で厚労省は、専門医のあり方に関する検討会報告書を提出した。説明によると、現在、学会ごとに異なる専門医の認定を統一化するなど、新たな専門医の養成方法を構築する。
 新しい仕組みでは、中立的な第三者機関を設置、専門医認定と養成プログラムの評価を行う。また、内科、小児科、外科など現在18ある基本領域専門医に総合診療専門医を追加するとしている。
 今後は、28年6月から専攻医募集開始、29年4月に研修開始、32年度から日本専門医機構による認定開始となっている。
(3) データヘルスの評価
   データヘルス計画書のとりまとめ状況など、保険者等調査の概要が、データヘルス計画推進会議(座長・辻一郎東北大大学院教授)で報告された。
 計画を作成したのは、27年9月現在、健保組合と協会けんぽが100%。市町村国保が作成中を含め7月現在で82.8%。市町村国保で未着手が295保険者あった。
 データヘルス計画の内容をみると、PDCAが回る計画だったのが、健保組合のうち300組合、一部修正が必要だったのが800組合、回らない計画だったのが300組合となっている。
 計画策定時の業者委託の状況をみると、「委託事業者と一緒に検討・策定」が47.9%、「委託事業者に一部の作業を委託」が45.9%、「すべて任せた」が5.9%だった。
(4) 支払基金改革
   厚労省は2月29日、診療報酬の審査の効率化と統一性の確保について論点整理した資料を、政府の規制改革会議に提出した。
 それによると、現行の支払基金を前提とした組織・体制の見直しではなく、支払基金法の改正を視野に、診療報酬の審査のあり方をゼロベースで見直すこととしている。
 この問題については昨年、健保連や日医などにもヒアリングが行われていた。今後は、4月中に改革の主要部分をとりまとめ、6月頃、規制改革実施計画にその内容を盛り込む予定だ。

2. 本部委員会報告

(1) 診療報酬対策委員会
   3月10日に開催。支払基金との28年度事務費契約と、契約に際する基金ならびに厚労省への要請などについて審議した。
 28年度の審査支払事務手数料単価は、オンライン・紙で医科・歯科が89円、調剤が44.5円。要請書の内容は、基金に対しては、さらなる業務効率化を、厚労省に対しては、基金法の改正などを求めている。委員会の審議結果は、3月18日の本部理事会に報告される。

3. 大阪連合会活動

(1) 28年度事業計画・予算案
   大阪連合会の28年度事業計画案と予算案が提出され、了承された。
 28年度は、医療・介護保険制度への対応、および保険者機能の強化に向け、健保連本部との連携を密にして事業に取り組むことを重点活動に据えた。収支予算規模は対前年度比26万6000円減の1億5438万3000円となっている。
 事業計画の詳細については、広報、組合業務、医療給付、保健共同事業、総合組合の各委員会から報告された。