広報誌「かけはし」
 

■2015年12月 No.531



 11月4日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。

1. 中央情勢

(1) 情勢認識と活動方針
   安倍首相は、「安心につながる社会保障」などを「新3本の矢」と位置づけ、重点的に取り組んでいくと表明した。
 臨時国会の開会は見送られた。
 11月25日の健保組合全国大会は、改革の実現に向け、われわれの団結強化の再確認、世間へのアピール、重点活動のスタート地点―との認識が重要ポイントである。
 広報の展開では、健保組合の優位性などを一般のかたにわかりやすくアピールする。国会議員要請では、現役世代の負担がすでに限界であることを切実に訴える。
 先日、平成26年度健保組合決算見込みをまとめ、636億円の経常黒字などを発表した。黒字は保険料率引き上げなどを要因としているのであって、いぜん厳しい財政状況であることを正しく伝える。
 28年度政府予算編成に向けて、拠出金負担に苦しむ組合への財政支援、短時間労働者の適用拡大の影響を受ける組合への支援措置を求めていく。
 最大のポイントは、消費税率10%への引き上げ時に合わせた前期高齢者医療への公費投入実現である。
(2) 当面の社保審医療保険部会の主要な審議事項
   10月21日の社保審医療保険部会で、厚労省から「当面の医療保険部会の主要な事項に関するこれまでの主な指摘等」と題する資料の提出があり、説明された。
 今春成立した医療保険制度改革関連法では、附則第2条第1項で医療に要する費用の適正化等を検討することが規定されている。その後、閣議決定された「骨太2015」では、医療に要する費用負担のあり方等が方向づけされている。
 提出資料は、医療保険部会マターの個別項目について、議論の進捗状況や課題を整理したものである。
 ▽入院時の居住費負担 ▽外来時定額負担 ▽高額療養費制度の見直し ▽後期高齢患者の負担割合引き上げ ▽生活習慣病治療薬の処方のあり方 ▽市販類似薬の保険給付見直し ▽後発医薬品の価格算定ルール見直し―などである。
 健保連は、これらの適正化策について賛成である。
(3) 経済・財政一体改革
   内閣府の経済・財政一体改革推進委員会はこのほど、改革工程表と指標の検討状況の中間整理を行った。重要課題について、2018年度と2020年度の目標値を設定。毎年度、進捗状況を点検・評価することとした。
 社会保障分野の今後の重点課題として、医療費適正化の取り組みの加速化、28年度診療報酬改定などをあげた。
 診療報酬改定については、財務省の財政制度等審議会がマイナス改定支持の意向。健保連はじめ支払い側は、11月下旬に共同意見書を提出する予定である。

2. 本部委員会報告

(1) 健康開発共同事業委員会
   特定健診等にかかる支払基金の機器更新への対応は、国費負担を除く分を、平等割と利用件数割により各被用者保険者で分担することで了承した。
 「予防・健康づくりのインセンティブ」を検討した。健保連としては、今後策定されるガイドラインには、個別具体的なインセンティブ策が保険者の選択制であるよう記載されるのが望ましいとした。
(2) 大会企画委員会
   11月25日の健保組合全国大会の詳細を検討し、審議結果を10月30日の健保連理事会に報告、了承された。
 全国大会の副呼称は「現役世代が納得できる公平な制度の実現へ」。スローガンは次の4点。 ▽高齢者医療費の負担構造改革の実現 ▽安定した組合運営に向けた財政支援の継続・拡充 ▽実効ある医療費適正化対策の実施 ▽保険者機能の発揮に効果的な健保組合方式の維持・発展
 今年の大会では、保険料率が高く、拠出金の保険料収入に対する割合が50%超の3組合に、意見を発表していただく。
 第二部の特別企画「VTR&トーク」は40分を予定。広報委員会委員、大会企画委員会委員各1名が参画する。

3. 大阪連合会活動

(1) 広報委員会
   広報委員会から、かけはし11月号の編集概要の報告があった。
(2) 報告事項
   川隅専務理事から、大要次の通り報告があった。
 全国大会へ向けて、10月下旬から国会議員への要請を開始している。国会閉会中だが、大会当日も議員が在京であれば、議員会館を中心に要請活動を実施する。
 大阪からの全国大会参加者は、現段階では127組合、192名の予定。1割増員要請を行った昨年並みとなっている。