広報誌「かけはし」

■2015年7月 No.526


 健保組合の97.3%が医療費通知を実施していることが、厚労省の調査でわかった。それによると、年間の実施回数は、440組合(36.6%)が「12回以上」で最も多かった。「年1回」は172組合、「未実施」は30組合。一方、後発医薬品の差額通知を発出しているのは、後発医薬品使用促進対策を実施している組合の3分の2(734組合)に及んだ。組合での医療費適正化への取り組みが進んでいる。
 厚労省の平成25年度健保組合事業状況調査によると、同年度中に医療費通知をなんらかのかたちで実施した組合は、調査回答した1241組合中、1207組合(97.3%)にのぼった。
 このうち、年間の医療費通知実施回数で最も多かったのは、「12回以上」で、440組合。以下、「2〜3回」が259組合、「4〜5回」が255組合、「1回」が172組合、「6〜11回」が77組合。未実施は30組合で、その理由は「財政的理由」「担当職員、専門スタッフ不在」「効果に疑問」などとなっている。
 大阪では、「実施」と回答したのが144組合。内訳は「12回以上」が58組合、「2〜3回」が36組合、「1回」が24組合、「4〜5回」が21組合、「6〜11回」が5組合だった。
 医療費通知に記載されている事項で、90%を超えた(複数回答)のは、受診者氏名、被保険者氏名、診療年月、実日数、区分(医科入院・入院外、歯科、調剤別)、医療費総額、窓口負担額など。医療機関名記載は88.1%だった。
 通知は、98.0%が被保険者と被扶養者双方を対象としていた。あて先は、95.4%が被保険者あてに被扶養者分も含めたもの。通知の方法(複数回答)は、「事業主経由」が最も多く68.0%、以下、「被保険者あてに被扶養者分も含めて自宅に郵送」が58.2%、「社内便」が32.2%となっている。
 医療費通知は、昭和53年の健保組合全国大会で、本格的に全国展開することを決議。健保組合が他の医療保険者に先がけてスタートさせた。現在では、ほとんどの組合が実施、回数も多く、実施方法も、受け手の立場を考慮して工夫されていることがわかった。
 「差額通知」実施は65.7%
 一方、後発医薬品の差額通知を発出している健保組合は、「後発医薬品の使用促進対策を実施している」と回答した1118組合のうち、734組合(65.7%)だった。
 年間の差額通知の回数で、最も多かったのは「1回」の261組合。このほか、「2回」220組合、「3〜6回」155組合、「7〜11回」12組合、「12回」61組合、「12回超」1組合となっている。
 差額通知の実施時期は、「組合で指定した月」としたのが最も多く547組合(48.9%)。「医療費通知や減額査定通知とあわせた時期」としたのが106組合(9.5%)。「毎月通知」は71組合(6.4%)だった。
 差額通知以外の後発医薬品使用促進対策(対策実施1118組合の複数回答)として最も多かったのは、「機関誌やホームページへの掲載」の853組合(76.3%)。
 このほか、「リーフレット等の配布」493組合(44.1%)、「希望カード配布」402組合(36.0%)、「ポスター掲示」360組合(32.2%)、「保険証添付用等の希望シール配布」347組合(31・0%)などが行われている。
 25年度事業状況調査は、医療費通知の実施状況や後発医薬品の使用促進対策を含めて、18項目にわたり健保組合の状況をまとめた。調査結果は6月1日付で、各健保組合あてに連絡された。
 厚労省では、健保組合の今後の予算編成や事業運営等への有効活用を望んでいる。

表1.医療費通知の実施状況 (平成25年度)
(1)通知回数
(注) 「計」は回数未記載の回答分(全国:4組合)を除く。
(2)通知に記載されている事項(複数回答)
(注) 割合は、医療費通知の実施組合数(1,207組合)に対するもの。
(3)通知のあて先
(4)通知方法(複数回答)
表2.後発医薬品の使用促進対策 (平成25年度)
後発医薬品使用促進対策の実施状況・使用促進対策の内容
割合は、回答表提出組合(1,241組合)に対するもの。
対策内容の割合は、実施組合(1,118組合)に対するもの。