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医療保険制度改革法案 |
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医療保険制度改革関連法案は、3月3日に閣議決定、国会に提出された。それまでの経緯は大要次のとおりである。
2月19日、自民党、公明党の厚生労働部会等で、厚労省から法案の概要について提案があり了承された。
20日の社保審医療保険部会では、与党に提出された資料をもとに審議が行われた。健保連・協会けんぽ・連合・日商・経団連の被用者保険関係5団体は席上、意見書を提出した。
内容は、▽全面総報酬割で浮いた国費の使途について国保優先としたことは容認できない ▽医療費適正化対策を強化するべき ▽高齢者医療制度の負担構造改革はじめ、さらなる改革に取り組むべき―とした。
同法案は、平成27年度政府予算成立後、4月以降の審議入りとなる。 |
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拠出金負担の軽減措置 |
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今回の改革案による拠出金負担の軽減措置で、現在までに明らかになっている点は、次のとおりである。
軽減措置については、高齢者医療確保法に定められる。
新制度では、現行制度に加え、拠出金負担割合が高い上位3〜10%の保険者も軽減対象になる。合わせて総報酬が平均以下の保険者に限定される。
拠出金割合上位10%の条件により、協会けんぽが対象外、総報酬平均以下の条件により、共済組合が対象外となる。
軽減分は、公費負担が半分、残り半分は全保険者が再按分して負担する。再按分の方法には、保険者ごとの前期高齢者1人あたり医療費の高低が勘案される。
想定される軽減対象保険者は、現行制度の対象である90組合に加え、新規で約250組合が対象となり、合わせて約340組合となる見込みである。
健保組合全体の軽減金額(26年度ベース、拠出金5%上昇で推計)は、29年度で約200億円、うち約100億円が公費負担。再按分負担額は約26億円であり、実質約174億円の負担軽減となる。
今後は、拠出金負担割合の上限引き下げ、公費負担額の増加―など、軽減措置拡大の具体策提示を検討していく。 |
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保険者協議会中央連絡会 |
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医療法の改正等により、保険者協議会の法的位置づけが明確化されたのを受けて、約5年ぶりに開催された。
協議会では今後、都道府県が策定する医療計画、医療費適正化計画へ意見を提示するための課題整理などを行う。 |
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医療費の動向 |
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26年度上半期の医療保険医療費の伸び率は、対前年度比1.4%増で、落ち着きをみせている。
年齢階級別では、65〜74歳が対前年度比5.5%増と高くなっている。この年齢階級の1人あたり医療費の伸び率は0.2%増となっており、医療費の伸びは団塊の世代の人口増加等が影響している。
65歳以上の高齢者の医療費が全体の55.8%を占めた。
後発医薬品の使用状況は、数量ベースで55.0%となっている。30年3月までに60%以上にすることが政府目標である。 |