広報誌「かけはし」

 

■2014年11月 No.518



 10月8日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。

1. 中央情勢

(1) 社保審医療保険部会
   医療保険部会では、医療保険制度改革に向けて2巡目の議論を進めるにあたり、おもな論点を整理した。
 健保連の主張は、高齢者医療の費用負担のあり方で、75歳以上の医療費への公費5割を実質的に確保するとともに、前期高齢者医療の財政調整の仕組みを見直し、公費投入を行うべきと主張している。
 後期高齢者支援金の全面総報酬割により生じる財源の国保投入は、国保の財源基盤強化にかかる負担の肩代わりであり、反対である。
 国保の前期高齢者分にかかる収支を比較すると、収入が超過している。前期高齢者納付金が国保全体に使用されているのではないか、明確な区分がない。
 療養の給付の適正化については、入院時食事療養費・生活療養費で、食材費に加え調理費も自己負担にすべき。現金給付では、傷病手当金、埋葬料の見直し。任意継続被保険者制度も含め、資格喪失後の取り扱いを検討すべき。
(2) 健保連の具体的な主張
   来年1月の通常国会を念頭に、社保審の医療保険部会を中心に、制度改革について議論されている。
 こうしたなかで、健保連が主張したいおもな要点が、全国大会での主張の大きなポイントとなる。
 主張の基本スタンスは、少子高齢化が進むなかで、高齢者医療費に対する現役世代の拠出金負担は、すでに限界に達しており、今後も負担の増大は確実である。
 被用者保険の保険料収入に占める拠出金の割合は、早晩50%を超える。現役世代の負担軽減が図られなければ、皆保険制度の持続は困難である。
 現状の医療費の伸びを勘案すれば、実効性のある、より踏み込んだ医療費の重点化・効率化策が必須である。
 具体的な主張では、団塊世代の前期高齢者参入という特別の事情に鑑み、前期高齢者納付金の負担緩和を求める。
 前期高齢者への公費投入は、納付金算定式の変更など制度見直しにより実現すべきである。
 後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入は、削減される国費を高齢者医療費の負担構造改革の財源として活用することを条件とする。
(3) 今後の医療給付費の見通し
   0〜64歳までの医療費のシェアは、平成22年度41.2%であるが、37年度では32.1%まで低下する。これに対して、前期・後期高齢者の37年度の医療費シェアは、22年度と比較して10%増加し68%を占める。
 現役世代の人口が減少する一方で、さらなる高齢化により高齢者の医療給付費の伸びは加速する。この部分の負担構造を見直さなければ、制度を保持できない。
(4) 平成26年度健康保険組合全国大会
   平成26年11月26日、東京国際フォーラムで開催する。今回は講演等はなく、大会後に大規模な要請活動を行う。
 副呼称は「皆保険を次世代へつなぐ改革実現総決起大会」とし、要求実現に向けた活動の山場としての総決起大会と位置づけている。
 大会参加者は1割増の目標数を定め、大阪は298名とされた。
(5) 経団連との鼎談
   鼎談メンバーは、日本経団連医療改革部会長、日本商工会議所社会保障専門委員、健保連副会長、日経新聞論説委員となっている。
 テーマは「どうなる医療保険制度見直しのゆくえ」として、月刊「健康保険」11月号に掲載する。
(6) 厚労大臣へ表敬訪問
   9月11日、健保連の大塚会長、白川副会長が塩崎厚労大臣を表敬訪問し、皆保険の危機の状況を説明した。
(7) 国会議員(大阪関係)へ要請
   大阪関係の国会議員への要請は、決議に賛同いただいた全組合名を記載し、総数312万人として要請する。

2. 本部委員会報告

(1) 健康開発共同事業委員会
   都道府県連合会連帯事業助成金等の統廃合案が示され了承した。平成27年度の特定健診等の支払基金代行決済(手数料単価の設定)への対応は、機器更新にかかる国の補助金確定後に負担方法を検討する。

3. 大阪連合会活動

(1) 組合業務委員会
   最近の事業としては、10月1日、事務長研修会を開催し、多数の出席を得た。
(2) 広報委員会
   かけはし10月号の編集概要の報告があった。
(3) 連絡事項
   川隅専務理事から、全国大会の出席について、大阪の目標数は298名であり、ぜひ積極的な参加を願いたい、との要請があった。