広報誌「かけはし」

 

■2014年8月 No.515


 7月9日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。
 会議の始めに、出席者の交代があった理事組合(関西電力健保)の紹介があった。

1. 中央情勢

(1) 給付の効率化について
   社会保障改革プログラム法の成立以来、経済財政諮問会議などの諸会議でも、制度改革が種々論議されている。
 そうした流れのなかで、社保審医療保険部会では、医療費の適正化として給付の効率化が提起されている。
 健保組合、協会けんぽにおいて、傷病手当金、出産手当金の支給額が右肩上がりで増加している。
 これらは標準報酬月額を基礎として決定される仕組みである。休業直前に標準報酬を高額に改定し、高額な傷病手当金等を受給することが起こりうる。
 そこで、過去の一定期間の標準報酬の平均額にもとづいて支給するなどの見直しを行うことが論点となっている。
 健康保険の埋葬料のあり方も検討される。また、海外療養費の支給では、不正に請求する事案が散見されるため、これに対する取り組みも検討される。
(2) 審査支払機関のあり方
   規制改革会議等で出ている議論である。民主党政権時に検討されていた。規制改革に関する第2次答申(6月13日)で、保険者が、最初にすべての診療報酬明細書の点検を可能とする仕組みの導入をあげた。さらに今後、詳細検討することとされている。
(3) 経済財政運営と改革の基本方針2014
   経済財政諮問会議が打ち出した方針では、経済再生と財政健全化下の社会保障改革の重点項目をあげている。保険者機能の強化、予防・健康管理の取り組み、後期高齢者支援金の負担、後期高齢者の保険料軽減措置の検討等がある。
(4) 国民の健康寿命の延伸
   「日本再興戦略」の改訂に含まれており、今後検討される。
 公的保険外のサービス産業の活性化、保険給付対象範囲の整理・検討等がある。
(5) データヘルス計画
   モデルとなる「データヘルス計画」を策定する健保組合52組合の計画の概要が公表された。
 厚労省は、医療保険者が、平成26年度以降、データヘルス計画を策定し、実施していくことを推進する。
(6) 「あしたの健保プロジェクト」関連
   制度改革の要請活動は、健保連を中心に行っているが、医療保険制度の十分な検討には、大きな世論の賛同が必要である。
 健保組合の理事、議員はもちろん、被保険者の方がたにも、webサイトの健康VOTEを見てもらい、賛同への協力をいただきたい。
(7) 平成25年度健保連事業活動の概要
   政治動向では、医療制度改革については、平成25年8月に社会保障制度改革国民会議の報告書が出され、12月にプログラム法案が可決された。
 健保連は、国民会議において健保連の考え方を説明する一方、国民会議の報告書に対しては、会長コメントを出す等の活動を行った。高齢者医療制度の負担構造の改革が最優先であるとした。
 併せて決算概要の報告があった。

2. 本部委員会報告

(1) 大阪中央病院運営委員会
   大阪中央病院の25年度決算状況の報告があった。医師の退職等で入院収入が大幅減となり、赤字の要因になっている。26年度は医師の採用等で順調に推移しているとのことである。

3. 大阪連合会活動

(1) 広報委員会
   かけはし7月号の編集概要の報告があった。
(2) 大阪連合会総会付議事項
   事業報告の冒頭に、社会保障制度改革国民会議の状況等、健保組合をめぐる情勢報告があった。制度改革の対応は本部の活動に連動してきたと報告している。
 大阪連合会では、理事会、委員会等で時宜に応じた活発な議論を展開し、高齢者医療制度改革を強く要請する活動に取り組んだ。円滑な組合運営の支援活動等には、各委員会で検討しながら事業を展開してきた。
 次いで、収支決算報告を行い、承認された。
(3) 報告事項
   川隅専務理事から、大阪連合会会員組合の平成25年度収支決算見込みの概要について報告があった。
 168組合の経常収支は340億円の赤字で、高齢者医療制度が創設された平成20年度以降、6年連続して巨額の赤字となっている。
 高齢者医療制度への拠出金は、25年度も保険料収入の45%を超えており、大変厳しい状況と報告された。
 7月23日の定時総会開催の連絡と、組合会等での決議書作成の要請があった。