今回の医療法改正案は、「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案」として、介護保険法改正案などと一括で国会審議された。
地域での効率的・効果的な医療提供体制の確保を目的とした今回改正のおもな要点は、まず、医療機関が都道府県知事に病床の医療機能を報告する制度を設けることだ。
これまで、慢性期の患者が急性期病床に数多く在院、医療機能と患者の状態とのマッチング、医療費適正化の両面から課題とされていた。
今後は、高度急性期、急性期、回復期、慢性期など、病床の医療機能を各医療機関が自主的に選択し、都道府県に報告する。それによって、医療資源の集中投下による機能強化を図ることとした。今年10月から施行の予定だ。
また、医療機関の報告をもとに都道府県が地域医療ビジョンを策定、医療計画にも反映させる。地域医療ビジョンの実現のためには、@医療保険者ほか関係者との協議、A都道府県知事の権能の明確化、B医療計画策定時と変更時に保険者協議会の意見を聴く――などが図られる。これらは来年4月から施行予定。
このほか、国や地方公共団体の医療機関情報提供強化、有床診療所の入院制限(48時間)撤廃、医療施設間の連携体制構築、必要な医療に対する都道府県の医療従事者確保策明示――など、医療提供体制全般にわたる改革施策を盛り込んだ。 |