広報誌「かけはし」

■2013年10月 No.505


 健保連は9月12日、全国1431健保組合の平成24年度決算見込みを発表した。経常収支は2976億円の赤字。全組合の74.1%、1061組合が赤字で、赤字組合1組合あたりの平均赤字額は3億8068万円にのぼる。高齢者医療制度が創設された平成20年度以降5年連続の赤字であり、5年間の累計赤字額は1兆9052億円にもおよぶ。最大の赤字要因は、高齢者医療制度への拠出金の増加によるもので、24年度は3兆1328億円に達し、初めて3兆円の大台を超えた。

 健保連(平井克彦会長)のまとめは、平成24年度の全国1431健保組合の決算見込み集計。それによると、経常収支は2976億円の赤字で、内訳は赤字が1061組合(74.1%)、黒字が370組合(25.9%)となっている。経常収支の赤字は、高齢者医療制度が創設された平成20年度以降5年連続で、同制度の早急な改革が望まれる。
 料率引き上げ609組合
 経常収支赤字額は前年度より521億円下回ったが、これは保険料率引き上げなどによる保険料収入の増加による。保険料率を引き上げたのは、全組合の40%を超える609組合で過去最高。この結果、平均保険料率は前年度より3.56ポイント上昇して83.43‰となった。
 被保険者数は1564万人(対前年度比0.1%増)、平均標準報酬月額は36万3641円(0.3%増)、平均標準賞与額は104万3746円(1.5%減)で、ほぼ前年度並み。保険料収入は対前年度比5.6%増の6兆8781億円となっており、保険料率引き上げの収入増への影響を示している。
 拠出金が3兆円突破
 おもな支出は、法定給付費3兆5847億円(対前年度比1.6%増)、拠出金総額3兆1328億円(9.1%増)など。拠出金の内訳は、後期高齢者支援金と老人保健拠出金の計が1兆5080億円(7.1%増)、前期高齢者納付金と退職者給付拠出金の計が1兆6247億円(11.0%増)。高齢者医療制度への拠出金は膨らみ続け、3兆円の大台を突破した。
 このため、拠出金の保険料収入に対する割合は45.5%となった。保険料収入の50%以上を拠出金に充てざるをえないのが492組合(全組合の34.4%)あり、前年度より110組合増加した。法定給付費と拠出金の合計(義務的経費)の、保険料収入に対する割合は、97.7%に達している。
過去5年間の推移
項目 平成20年度 21年度 22年度 23年度 24年度
健保組合数 1,497 1,473 1,458 1,443 1,431
平均保険料率 73.80‰ 74.50‰ 76.72‰ 79.87‰ 83.43‰
経常収支差引額 △3,189億円 △5,234億円 △4,156億円 △3,497億円 △2,976億円
拠出金総額 27,471億円 27,188億円 26,419億円 28,721億円 31,328億円
保険料収入に対する
拠出金の割合
44.4% 45.6% 43.0% 44.1% 45.5%