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健保連は9月12日、全国1431健保組合の平成24年度決算見込みを発表した。経常収支は2976億円の赤字。全組合の74.1%、1061組合が赤字で、赤字組合1組合あたりの平均赤字額は3億8068万円にのぼる。高齢者医療制度が創設された平成20年度以降5年連続の赤字であり、5年間の累計赤字額は1兆9052億円にもおよぶ。最大の赤字要因は、高齢者医療制度への拠出金の増加によるもので、24年度は3兆1328億円に達し、初めて3兆円の大台を超えた。 |
健保連(平井克彦会長)のまとめは、平成24年度の全国1431健保組合の決算見込み集計。それによると、経常収支は2976億円の赤字で、内訳は赤字が1061組合(74.1%)、黒字が370組合(25.9%)となっている。経常収支の赤字は、高齢者医療制度が創設された平成20年度以降5年連続で、同制度の早急な改革が望まれる。 |
経常収支赤字額は前年度より521億円下回ったが、これは保険料率引き上げなどによる保険料収入の増加による。保険料率を引き上げたのは、全組合の40%を超える609組合で過去最高。この結果、平均保険料率は前年度より3.56ポイント上昇して83.43‰となった。
被保険者数は1564万人(対前年度比0.1%増)、平均標準報酬月額は36万3641円(0.3%増)、平均標準賞与額は104万3746円(1.5%減)で、ほぼ前年度並み。保険料収入は対前年度比5.6%増の6兆8781億円となっており、保険料率引き上げの収入増への影響を示している。 |
おもな支出は、法定給付費3兆5847億円(対前年度比1.6%増)、拠出金総額3兆1328億円(9.1%増)など。拠出金の内訳は、後期高齢者支援金と老人保健拠出金の計が1兆5080億円(7.1%増)、前期高齢者納付金と退職者給付拠出金の計が1兆6247億円(11.0%増)。高齢者医療制度への拠出金は膨らみ続け、3兆円の大台を突破した。
このため、拠出金の保険料収入に対する割合は45.5%となった。保険料収入の50%以上を拠出金に充てざるをえないのが492組合(全組合の34.4%)あり、前年度より110組合増加した。法定給付費と拠出金の合計(義務的経費)の、保険料収入に対する割合は、97.7%に達している。 |
項目 |
平成20年度 |
21年度 |
22年度 |
23年度 |
24年度 |
健保組合数 |
1,497 |
1,473 |
1,458 |
1,443 |
1,431 |
平均保険料率 |
73.80‰ |
74.50‰ |
76.72‰ |
79.87‰ |
83.43‰ |
経常収支差引額 |
△3,189億円 |
△5,234億円 |
△4,156億円 |
△3,497億円 |
△2,976億円 |
拠出金総額 |
27,471億円 |
27,188億円 |
26,419億円 |
28,721億円 |
31,328億円 |
保険料収入に対する
拠出金の割合 |
44.4% |
45.6% |
43.0% |
44.1% |
45.5% |
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