広報誌「かけはし」

■2012年11月 No.494


 10月24日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。
 会議の始めに、出席者の交代があった理事組合(鴻池健保)の紹介があった。

1. 中央情勢

(1) 本部常任理事会情勢報告等
   厚労省人事異動による新任の神田審議官、大島保険課長が常任理事会に来られた。
 協会けんぽ特例支援措置(平成22〜24年度)の16.4%国庫補助、後期高齢者医療制度の拠出金算定方法に関する3分の1の総報酬割等の方向づけが課題との話であった。
 社会保障と税の一体改革関連の政治情勢は、大きな動きがない。大阪連合会としては、健保財政の窮状を訴える国会議員要請を、置田専務理事を中心に積極的に行っている。先般、藤村官房長官、平野前文科大臣に要請活動を行った。
 保険医療機関の行政処分の報告があった。東京医科大学茨城医療センターに関する案件であり、500床を超える大きな大学病院の保険医療機関の取り消しである。施設基準を満たしていない等の不正な診療報酬請求があり、内部告発によって発覚した。健保連としても厚労省の監査体制のぜい弱さを指摘している。
(2) 平成25年度以降の組合財政支援交付金見直し
   平成23年度の改定で、解散抑止目的の組合財政支援交付金に一本化し、調整保険料率を1.2‰から1.3‰に引き上げた。
 一体改革関連法で規定された「国民会議」も開かれていない。こんな状況も勘案して、25年度の交付金交付事業は、単年度の見直しにとどめておく。0.3‰以上に引き上げて財源を求めることは厳しいので、交付基準を見直すか、交付率を下げるしか手当てができない。
 25年度は調整保険料率を引き上げず、交付財源が不足した場合は交付率を乗ずることとせざるを得ない。
 保険料率基準は、協会けんぽの当年度の料率とし、負担上限を保険料率の基準マイナス3‰とする。
(3) マイナンバー法案の検討状況
   マイナンバー法案は継続審議になっているが、スケジュールは、ずれ込むとみられる。
 健保連の考え方は、番号制度の必要性は認識しているが、費用負担については国が責任を持つべきであり、現状の検討内容には課題が多く、必要な働きかけを行っていくとした。
(4) 救急常備薬配布事業継続の要請
   救急常備薬配布の事業は、7割近い健保組合が保健事業として行っている。平成21年6月に薬事法が改正され、6年間の経過措置が切れる27年6月以降、第2類の救急常備薬の配布、斡旋ができなくなる。多数の健保組合が事業継続を強く望んでおり、配布等が存続できるよう厚労省に要請している。

2. 本部委員会報告

(1) 診療報酬対策委員会
   支払基金との来年度の契約更改に向けたスケジュールを確認した。
 中医協での審議事項である診療報酬における消費税の取り扱い等について、健保連の方針の説明があった。
(2) 大会企画委員会
   11月21日に開催する。議長は近畿地区からの選出となり、三洋電機連合健保理事長にお願いすることとなった。
 厚労大臣への決議、要請文書の手交は各健保の理事長名で要請書作成をお願いしている。
 大会終了後に要請活動を行う。

3. 大阪連合会活動

(1) 広報委員会
   かけはし11月号の編集概要の報告があった。
(2) 医療給付委員会
   医療給付委員会とレセプト担当部会合同で柔整療養費の適正化に向けた勉強会を実施。また、歯科レセプト点検事務研修会、柔道整復等療養費適正化講習会を開催した。
(3) 連絡事項
   専務理事から、全国大会への多数の参加要請と国会議員への要請活動についての説明があった。

4. 海外調査報告

 健保連本部において、安藤会長を団長に12名の調査団を編成、ドイツ、フランスでの調査を行った。
 ドイツは、2009年(平成21年)に施行された医療保険競争強化法があって、競争原理、経済性を大きく打ち出している。保険料率を全国で統一し、疾病金庫のサービスの差がみえるように、自立運営を促進している。
 フランスは、医療サービス評価機構が公的な独立組織として新設され、医療の質を高める国の専門体制をつくっている。全国金庫として医療給付増を抑制するため、開業医、入院医療等項目ごとに適正化を図っている。健保連本部の事務局が後日、本格的な報告書をまとめる。