広報誌「かけはし」

■2012年8月 No.491


 7月11日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告、大阪連合会総会の付議事項等を審議した。

1. 中央情勢

(1) 中医協・診療報酬調査専門組織の分科会での議論
   分科会で、消費税が引き上げられたときの診療報酬について、議論が始まっている。
 平成元年の消費税導入時は、基本的に診療報酬は非課税となった。公的医療保障制度に関する療養、医療、施設療養、または、これに類する資産の譲渡等は現在、非課税になっている。しかし、医療機関が仕入れる医療材料、薬剤、設備等の購入には消費税がかかり、仕入れの際、5%は自己負担となる。その分は診療報酬で手当てされている。平成元年4月改定時に消費税分を診療報酬に上乗せされ、平成9年に消費税率が3%から5%にアップした際も同様である。今回の消費税率8%、10%への引き上げ段階において、従来の上乗せ分では負担をカバーできないと日本医師会は主張し、健保連は、非課税のルールがあるのに消費税分のオン自体が問題としている。
(2) 社会保障・税一体改革の関連法案
   年金関係法案で短時間労働者の社会保険適用は、月額賃金が8万8000円以上とされた。健保組合への影響は、約200億円の負担増となる。また、拠出金の増加が大きい業種があるので、拠出金計算の際、所得が一定以下の被保険者等には調整率で軽減を図る、とされている。
 国民会議で審議されるが、社会保険制度を基本とし、自民党案が前面に出たかたちになっている。
 健保連の対応は、与野党を問わず、国会議員の先生等に改革法案の早期成立へ向けた要請活動を行う。
(3) 健保連本部の平成23年度 事業活動
   23年度の健保連事業活動状況が報告された。
 医療制度改革の動向では社会保障と税の一体改革、重点項目では、保険者機能強化充実と健保組合の存在意義のアピール等がある。
(4) 24年度高齢者医療制度円滑運営国庫補助金事業
   特定健診等の見直しにともなうシステム改修費は、国庫補助される。すべての健保組合が対象とされ、43億円を健保連、協会けんぽ等に分配し、1組合当たりの定額均等方式となる。

2. 本部委員会報告

(1) 組織等委員会
   正副委員長選出と委員会の今後の運営が議題となった。
 定例的な検討事項は、都道府県連合会事業強化助成金事業である。大阪中央病院関係については、大阪中央病院運営委員会を設置する。大阪中央病院の決算報告があった。
(2) 健康開発共同事業委員会
   正副委員長選出と今後の事業の確認が中心議題であった。
 特定健診等の第2期が来年度から始まるが、厚生労働省の検討会で方向性がまとめられ、全国目標は第1期と同じとされた。
 加減算制度は、第2期も実施されるが、第1期分の加減算(25年度支援金の加減算)は、2年後の27年度に反映される。
(3) 交付金交付事業委員会
   25年度以降の組合財政支援交付金の検討で、経営基盤の強化や解散抑止を目的とした組合財政支援交付金の交付を引き続き実施する。制度改正後の健保組合財政見込みが明らかになった時点で、今後の見直しを検討する。
(4) IT事業委員会
   正副委員長の選出があり、今期の検討事項を、データ分析事業の方向性、特定健診等の共同情報処理システムの取り扱い等とした。本部事務局IT推進部内にデータ分析推進グループの設置、事業実施にあたっての財政基盤整備の説明もあった。
 25年以降も現行データセンター開設を継続する。


3. 大阪連合会活動

(1) 広報委員会
   かけはし7月号の編集概要の報告があった。
(2) 総合組合委員会
   大阪の総合組合の24年度予算を分析した。平均保険料率は、92.72‰という高い料率となり、実質保険料率は100.76‰で、協会けんぽの負荷保険料率を超えた。43の全組合が赤字予算である。
(3) 大阪連合会総会
   総会に向けて、大阪連合会事業報告等を審議した。
 事業報告は、健保組合をめぐる情勢として、野田内閣の発足、社会保障と税の一体改革等をあげた。健保連の活動状況は、24年度政府予算への要請、全国大会、その後の国会議員への要請等があった。
 大阪連合会の事業活動では、理事会、委員会の活発な論議、各方面への要請など、全組合が一丸となって取り組んだ活動をまとめている。
 収入支出決算、監事の選出の提案も含めて承認された。
(4) 報告事項
   専務理事から、大阪の健保組合の23年度決算見込み概要について報告があった。