広報誌「かけはし」

■2012年4月 No.487

 3月16日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。
 会議の始めに、出席者の交代があった理事組合(田辺三菱製薬健保)、監事組合(島屋健保)の紹介があった。

1. 中央情勢

(1) 医療保険関連法案
   一体改革関連で、厚生労働省は医療保険関連法案として、高齢者医療制度と短時間労働者の適用拡大を提案しようとしている。
 高齢者医療制度は不透明であるが、適用拡大は政府・与党で意思統一された。年収94万円以上、勤務期間1年以上、従業員数501人以上の規模の企業で働く人が対象で、45万人を想定し、平成28年(2016年)4月から実施するという内容の法案を提出する。
 調整策として、負担が大きくなる健保組合の負担を緩和する案を加えると思われる。後期高齢者支援金、介護納付金等の負担を軽減する措置等である。健保連はいまのところ反対の姿勢であるが、動向をみながら対応していく。
(2) 特定健診・保健指導の加減算問題
   「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」が開かれている。後期高齢者支援金の加減算調整は、25年度から運用される。特定健診等の実施率が全体的に目標に達していないなど問題点が多く、検討会での加減算の実施方法検討について、注目する必要がある。
(3) 健保組合財政
   28年にかけて団塊の世代が前期高齢者に入る等、高齢化の影響で現役世代が減少し、拠出金負担増加が確実視される。
 実質保険料率が27年度には100‰を超えるような状況である。24年度予算早期集計により、詳細資料がまとめられるとみられる。
(4) 診療報酬・介護報酬の同時改定
   診療報酬の2回連続の引き上げは遺憾であるが、急性期医療や病院勤務医の負担軽減などへの重点配分は評価される。
 介護報酬の改定率は1.2%アップとなった。介護職員の処遇改善交付金に見合う報酬として、介護職員処遇改善加算を新設している。
(5) 24年度療養費改定にあたっての意見
   健保連は、24年度療養費改定に向けて、協会けんぽと連名で厚生労働省に要請した。
 要請書では、16年度から21年度にかけて、国民医療費の増加に対して柔整等の療養費の伸びが非常に大きいことを指摘している。
 療養費の不正請求の発生については、行政刷新会議や、会計検査院の検査報告でも適正化が指摘されている。この実態を認識して改定してほしいという内容である。

2. 本部委員会報告

(1) 診療報酬対策委員会
   24年度の支払基金との契約に際しての支払基金、厚生労働省への要望等について審議した。
(2) 交付金交付事業委員会
   組合財政支援交付金の交付組合に対するヒヤリングは、申請のあった82組合のうち51組合について実施する。このほか、指定組合6組合に対する厚生労働省によるヒヤリングがあり、これらを含めてヒヤリングを受ける組合は57組合である。

3. 大阪連合会活動

(1) 大阪連合会事業計画
   総会に諮る大阪連合会事業計画案、予算案について審議した。
 健保組合をめぐる諸情勢については、社会保障と税の一体改革が一番大きな問題である。一体改革は、消費税の引き上げを柱としているが、手当てされる社会保障の項目内容が不明確であり、前期高齢者医療への公費投入がまったく触れられていない。
 大阪連合会の健保組合の財政状況は、23年度で93.3%の組合が赤字予算である等、厳しい環境にある。
 これらの状況の下で、重点事業活動として、一体改革に対する的確な対応、保険者機能の強化を中心に取り組む。
 理事会、地区会活動等を積極的に推進し、国会議員への要請活動や関係機関との密接な連携、都道府県連合会の枠を超えての連携の強化も図る。
 事業活動については、各委員会委員長から説明された。
 続いて予算案の説明があり、事業計画案とともに了承された。
(2) 大阪連合会役職員表彰規程
   大阪の健保組合の役員・議員・職員の表彰規程が提案された。表彰は勤続20年に達した者について行う内容で、大阪連合会職員も含むという提議も含めて了承された。
(3) 報告事項
   大阪連合会の健保組合の24年度平均保険料率は、現段階では83.431‰(昨年78.766‰)となっている。協会けんぽ(大阪)は100.06‰であり、これを超える組合が4組合という状況である。