広報誌「かけはし」

■2011年11月 No.482
 10月19日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。

1. 中央情勢

(1) 社会保障改革推進本部
   改革を着実に進めるため、厚生労働省は社会保障改革推進本部を設置した。本部長を小宮山大臣、推進チームのチームリーダーを辻副大臣としている。民主党は社会保障と税の一体改革調査会を設置し、会長を前厚労相の細川氏としており、党の税調会長は藤井氏で、年末までに来年度の税制改正大綱の検討過程で消費税引き上げの問題が浮上するとみられる。
(2) 協会けんぽ平成24年度(2012年度)収支見通し
   概算要求をもとにした推計では、現行の国庫補助率16.4%を前提として、高齢受給者負担1割凍結の場合、保険料率は10.20%、凍結解除で10.14%となっており、10%を超える水準である。
(3) 社会保障と税の一体改革への対応
   個別分野における具体的改革として、高額療養費制度の見直しと受診時定額負担の導入がある。
 高額療養費制度の見直しは、現行の70歳未満の上位所得者、一般、低所得者の3区分を5段階区分とする案を、厚労省が社会保障審議会医療保険部会に提出、年間の上限額設定も提案している。
 財源をどうするのかの論議で、受診時定額負担の仕組みの付加が考えられた。
 健保連の対応は、中低所得者等への給付拡充には反対しないが、高額療養費制度の給付拡充に保険料財源を充てることには反対、定額負担の導入には反対しないとした。
 短時間労働、パート労働者の適用拡大の問題は、対象者が多く就労する企業への影響をどう配慮するかである。健保組合のなかで影響が大きいサービス業、小売、飲食等の業態もある。中身をみながら医療制度等対策委員会で検討していくこととした。
(4) 平成24年度診療報酬改定
   改定に向けた本格的な議論が9月から進められているが、健保連としては、医療経済実態調査結果の分析を中医協に提出するほか、支払側として基本的な考え方を意見書にまとめる。
(5) 無過失補償制度等のあり方検討会
   無過失補償制度等のあり方に関する検討会において、厚生労働省は医療事故の原因究明、再発防止を図るための仕組みを検討している。
 健保連としては、基本的な考え方を確認し、成り行きをみていく。

2. 本部委員会報告

(1) 交付金交付事業委員会
   組合財政支援交付金の交付組合に詳細な審査資料と実績報告の提出を義務づけた。ヒヤリングは財政窮迫度の高い組合等を優先的に実施し、理事長との意見交換を重視する。
 高額医療交付金の見直しは、24年度は行わない。
(2) 大会企画委員会
   全国大会は、参加型の大会とし、とくに壇上の政党代表者との意見交換を行うミニシンポジウム的な構成により、質疑、意見発表を実施する。意見発表は3名で、近畿地区は滋賀県が担当する。議長は1人制とし、特別講演を予定している。
 国会議員紹介の際の対応は、都道府県連合会の判断により極力プラカードを掲げる等のアピールを行う。
 スローガンは制度関係、保険者機能、財政支援に関するものを作成する。

3. 大阪連合会活動

(1) 広報委員会
   かけはし10月号の編集概要の報告があった。
(2) 組合業務委員会
   パソコン研修会、組合担当者実務講習会、事務長研修会を開催。個人情報保護研修会は調整中である。
(3) 医療給付委員会
   柔整療養費の適正化講習会、求償事務研修会、歯科レセプト点検事務研修会、国保運営協議会委員の研修会を開催した。支払基金との意見交換会は例年どおり実施する予定である。
(4) 総合組合委員会
   総合組合等の決算状況を分析した。大阪では前年度に引き続き大幅な赤字であり、42組合中37組合が赤字である。法定給付費と拠出金等の義務的経費だけで保険料収入を上回っており、危機的な財政状況にある。
(5) 連絡事項
   全国大会の出席について、多くの組合の出席を要請した。
 大阪連合会の会員組合として新しく健保組合が設立された。名称はペガサス健保組合(堺市)で、業種は医業である。