広報誌「かけはし」

■2011年7月 No.478
 6月15日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。

1. 中央情勢

(1) 社会保障と税の一体改革関連
   集中検討会議の審議の状況は、6月2日に社会保障改革案が内閣府から基本的な方向として示された。6月20日にこの内容で合意すると思われるが、消費税増税には批判的な意見もある。
 個別分野の具体的な改革では、医療・介護の改革項目がサービス提供体制の効率化・重点化、保険者機能の強化となっている。
 社会保障費用の試算(平成27年度)では、2兆7000億円の公費の追加が必要となっている。
 今回は消費税率引き上げを打ち出していることが大きな特徴であり、2015年度までに10%に引き上げなければならないとしている。(最終的には、「2010年代半ばまでに」とされた。)必要額の推計のうち、医療・介護の部分では、国保の広域化等で2.4兆円増加、効率化等により1.2兆円削減、差し引き1.2兆円の公費の増加を必要としている。
 健保組合の財政影響では、最大の関心事である前期高齢者医療への公費投入について、改革案への具体的な記載がない。
(2) 社会保障改革案に関する健保連の整理
   本部常任理事会で、社会保障改革案に関する内容について評価と対応をまとめた。
 評価できることは、医療・介護サービスの提供体制の充実と効率化・重点化について、平成19年度の健保連提言と改革案は概ね一致している。
 課題がある事項は、後期高齢者医療制度の支援金算定に総報酬割を導入する、前期高齢者医療への公費拡充に触れられていない等である。
 今後、論議が必要な事項では、社会保障についての必要額を将来どうしていくのか、事業主、被保険者の負担がどうなるかわからない状態等である。
(3) 番号制度シンポジウム
   5月29日に東京で開催され、日本経団連、連合も賛成の立場で意見を述べている。9月10日に大阪での開催が予定されている。
(4) 健保連本部報告事項
   健保連本部の本館が6月から解体作業に入っている。
 健保連本部では節電対策として、8月12日(金)と8月15日(月)を夏期一斉休業(有給休暇対応)とする。

2. 本部委員会報告

(1) 交付金交付事業委員会
   高額医療交付金の見直しと組合財政支援金交付対象組合に対するヒヤリングのあり方を検討している。
 高額医療交付金の積立金が枯渇しており、交付率や、調整保険料率の見直しを含めて検討する。組合財政支援交付金の交付対象組合は本年100組合と見込まれ、ヒヤリングを対面とするか合同ヒヤリングとするか、開始時期等も検討する。

3. 大阪連合会活動

(1) 広報委員会
   かけはし6月号の編集概要の報告があった。
(2) 組合業務委員会
   初任者実務講習会、組合担当者実務講習会(4回)を実施した。昨年より多数の参加を得て、参加者も熱心であった。今後は個人情報保護、パソコン研修会等を予定している。
(3) 医療給付委員会
   柔道整復等療養費の適正化講習会、求償事務研修会、歯科レセプト点検事務研修会の予定と、支払基金との意見交換会、国保運営協議会委員の研修会の開催等を検討している。
(4) 保健共同事業委員会
   今後の事業を検討した。これまでに健康教室を開催したが、今後、健康セミナー、心の健康講座等を予定しており、救命講習会の実施も検討している。
(5) 総合組合委員会
   総合組合予算を分析した。健保連大阪、健保連全国、全国総合組合と比較して検討した。大阪の総合組合は42組合中、実に41組合が赤字であり、保険料率を引き上げても過去最悪の赤字である。引き上げは21組合、引き上げ幅7.86‰で、平均保険料率87.98‰は健保連大阪よりも9.02‰高い。保険料収入に対する納付金等の割合は50.19%で、50%の大台を超えている。
(6) 大阪連合会報告
   大阪の健保組合の22年度決算見込み概要の報告があった。大阪府市町村職員健保組合が共済組合に変わった等で、被保険者数が8万6000人強減少した。181組合のうち81%の組合が経常収支赤字であり、法定給付費等の財源率110%以上の組合が3組合、実質保険料率が125.67‰の組合があるなど厳しい状況等をグラフで説明が行われた。
 次いで、本部にならい、8月12日(金)、15日(月)を節電の関係で、有給休暇を活用して休業させていただくとの連絡があった。