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メタボは心筋梗塞後死亡の高リスク!

〜 喫煙者はさらに要注意! 〜 |
11月22日、薬業年金会館で健康セミナーを開催。大阪大学大学院 医学系研究科助教
坂田泰彦氏が「メタボは心筋梗塞後死亡の高リスク!〜喫煙者はさらに要注意!」をテーマに講演されました。(以下に講演要旨) |
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坂田 泰彦 氏 |
心筋梗塞の死亡率は、治療の進歩により年々下がってきましたが、まだ高いといわざるを得ません。大阪大学循環器内科が中心となって行っています大阪急性冠症候群研究会のデータでは、急性心筋梗塞で入院された大阪の患者さんも、まだ1年以内に10%前後の方がお亡くなりになられています。
そこで、こうした方がたのお命を少しでも救うために、例えば生存退院時に抗血小板薬や、アンジオテンシン酵素変換酵素阻害薬、またはアンジオテンシン受容体拮抗薬、β遮断薬、スタチンなどの薬剤の処方が増えています。
しかしながら、残念なことに、心筋梗塞患者さんの発症後30日以内の急性期死亡率は減りましたが、それ以降の死亡率の改善は最近頭打ちであり、今後さらなる努力が必要です。そのためには、患者さんの個々の状態に応じた治療というものが必要になると考えています。すなわち、血液検査の結果や、遺伝子背景の差などを考慮して個人個人に応じた治療を行う、いわゆる個別医療が今後大切になってきます。本日のテーマとしてお話しするメタボリック症候群もその対象です。
メタボリック症候群になると心筋梗塞や脳卒中になるリスクは高く、そうでない人に比べて30〜50倍の危険があるといわれていますが、タバコを吸われる方はさらにその倍になります。またそれだけではなく、先ほどもご紹介した大阪急性冠症候群研究会のデータでは、メタボリック症候群の方は心筋梗塞発症後の死亡率も高いことが示されています。
また、メタボの方で心筋梗塞になってもタバコをやめられなかった人は、死亡率が高いことも明らかになっています。心筋梗塞予防のみならず、心筋梗塞になってしまった方でも、メタボ解消、禁煙は大きなテーマになっています。 |
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