広報誌「かけはし」

■2010年6月 No.465
 5月19日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。

1. 中央情勢

(1) 協会けんぽへの国庫負担の肩代わり問題
 

 肩代わり問題について、平井会長の声明、総括があり、内容の報告があった。
 昨年12月4日に社会保障審議会で国庫負担の肩代わりという問題が提案されてから、広報活動、国会議員への要請活動等を実施し、本年2月12日には街頭で、ビラも配ってわれわれの主張を訴えてきた。しかし、残念ながら4月15日、衆議院でこの法案が可決され、5月12日に参議院で可決成立した。
 5月11日の参議院厚生労働委員会では、全会一致の附帯決議が採択された。拠出金負担によって運営の困難な保険者に対し財政支援を、平成24年度まで継続かつ充実する、高齢者医療制度の費用負担の調整は若年者の負担が過大なものにならないよう公費負担を充実する、と健保組合が主張してきた内容が盛り込まれた。
 今後は、附帯決議等を足がかりにして、高齢者医療制度改革への政策提言とする。
 5月12日の健保連会長声明では、法案が可決成立したことは遺憾であるが、今回のわれわれの活動により、健保組合の厳しい財政事情や、わが国の医療保険制度が抱える諸問題に対して、多くの国民、国会議員に一定の理解が得られたこと、参議院の附帯決議の内容など、成果もあったと声明した。
 13日に健保連は、各健保組合理事長、都道府県連合会会長あてに総括の文書を発出した。肩代わりに反対するなど、これまでの姿勢は変えないが、法案が成立した以上、このうえの反対活動は成果を得ることが難しく、活動を終結することとした。今後は参議院における附帯決議の内容の確実な実行を求めること等に注力し、対策本部は解散することとした。

(2) 平成22年度高齢者医療運営円滑化事業
   拠出金等の財源率が組合平均( 34.4‰)の1.1倍( 37.8‰)以上の保険者に対し助成するという案が出ている。スケジュールは、7月上旬に諸率の告示、下旬に補助金申請、9月上旬に納入開始(総報酬割)のようである。
(3) 高齢者医療制度の再構築に向けて要望書
   健保連、日本経団連、連合、協会けんぽの4団体で、長妻厚生労働大臣に要望書を提出した。高齢者医療制度に対する公費負担の拡充、地域保険と被用者保険の維持と発展等を意見として要望した。
(4) 医療費通知の適切な実施
   医療費通知の適切な実施については、審査支払機関の審査により減額があった場合、減額の大きい(1万円以上)レセプトについて被保険者に通知することを徹底させるという内容である。健保組合にも実施の要請があった。
(5) 出産育児一時金
   出産育児一時金の直接支払い制度にかかる支払い早期化実施についてアンケートがあった。対応可能と回答した組合が約8割あったようであるが、延期を交渉している状況である。
(6) 永年勤続表彰
   平成22年度の永年勤続表彰受彰者は、全国で520名、大阪は109名となっている。7月23日の決算総会の日に伝達式を実施するので改めて案内する。

2. 大阪連合会活動

(1)

広報委員会

 

 かけはし5月号の編集概要の報告があった。

(2) 組合業務委員会
   21年度事業結果と22年度事業予定検討の報告があった。初任者実務講習会、組合担当者実務講習会、個人情報保護に関する研修会、パソコン研修会、事務長研修会等を予定している。
(3) 保健共同事業委員会
   21年度事業結果、22年度事業予定の検討について報告があった。救命講習会、結核をとりまく諸問題等の講習会について報告された。
(4) 大阪連合会報告
   肩代わり法案に関する諸活動について、感謝の意が表された。
 大阪の健保組合の22年度収入支出予算概要が報告された。
 組合数は、1組合増の183組合で、そのうち163組合が赤字である。協会けんぽ大阪支部の保険料率は全国平均より高く93.8‰であるが、それを超える健保組合が3組合ある。平均保険料率は75.51‰と1.31‰上昇している。なかには20‰引き上げた組合もあり、引き上げた26組合の平均は9.96‰となっている。経常収支は157億円の赤字で、大阪でも増加した。