広報誌「かけはし」
 
■2010年1月 No.460



 健保連大阪連合会はこのほど、民主党大阪府総支部連合会代表 樽床伸二衆院議員(大阪12区選出)に要望書を提出した。国の予算編成の過程で突然浮上した、協会けんぽの財政対策としての、後期高齢者支援金による国庫負担の健保組合等への肩代わり案の不採用を要望したもの。要望書の内容はつぎのとおり。
要望書
 協会けんぽの財政対策としての、後期高齢者支援金による国庫負担の健保組合等への肩代わり案を取り入れられることのないようお願い申し上げます。
 平成21年12月10日
民主党大阪府総支部連合会
代表 衆議院議員
樽 床 伸 二 殿
健康保険組合連合会
大阪連合会
会長 加藤幹雄
 
(趣旨)
 今般、平成22年度政府予算案に関連して、厚生労働省が社会保障審議会医療保険部会に提示した「被用者保険内での後期高齢者支援金の総報酬割について(骨子案)」は、本来、国が行うべき協会けんぽへの国庫負担の増額を健保組合等に一方的に負担させるものであり、健康保険組合・健康保険組合連合会は到底受け入れることはできません。まさに、2年前に提案された理不尽な「肩代わり」の再現です。当時、民主党におかれては、理不尽な「肩代わり案」に当初から一貫して反対され、そのおかげで法案は廃案となり、私ども健保組合・健保連は安堵するとともに厚く感謝申し上げているところです。今回、民主党政権のもと、厚生労働省から同様な案が提示されたことはまことに残念でなりません。
 また、高齢者医療制度改革についての議論がこれから始まるという段階で、支援金の負担方法の変更という根幹にかかわる制度変更が、唐突に、しかも財源確保のためだけの一部分の手直しとして出されたことも納得がいきません。今般、厚生労働大臣が設置された高齢者医療制度改革会議をはじめとして、改革全般について、広く国民・関係者の意見を聞き、そして十分な議論と検討のうえで改革案が出されるべきものと考えます。
 また、「健保組合は大企業のもの」という表現がありますが、健保組合には、総合型という同業種の中小企業により構成される組合があり、加入者割合では全組合の3分の1強を占めています。前述の表現はあたらず、今回案での中小企業の協会けんぽを助けるためという理屈はとおりません。
 現在、健保組合は、平成20年度に3060億円、平成21年度予算においては6150億円の赤字が見込まれ、赤字組合も9割を超えています。そのうえ21年度は、経済・雇用情勢や医療費の増からさらなる赤字額の増が見込まれ、22年度に予算を組めない組合もあります。その最大の要因は、限界を超えた高齢者医療制度の支援金・納付金の過重な負担であり、こうした厳しい財政状態にあって、さらなる負担増は到底受け入れられる状況にありません。
 全国3000万人加入者の健康を支える健保組合を守るために、厳しい健保組合の財政事情についてご拝察いただき、今回、厚生労働省から示された健保組合の負担増を招く案を取り入れられることのないようお願い申し上げます。