広報誌「かけはし」

■2008年11月 No.446
 10月22日定例の理事会を開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。

1. 中央情勢

(1) 高齢者医療制度検討会
 

 舛添厚生労働大臣の命による高齢者医療制度に関する検討会が設置された。
 塩川正十郎元衆議院議員が座長となられ、初会合では75歳で区切ることに批判的な意見が大数を占めたようである。
 長寿医療制度と国民健康保険の一体化に関する大臣の私案のイメージでは、現行を見直して75歳という年齢で区切った制度にしないとされ、あとは被用者保険からの財政調整で補うとされている。

(2) 協会けんぽ
 

 協会けんぽの組織と役員が資料として提供された。
 10月1日から全国健康保険協会が発足し、本部は理事長が1名、理事が5名等8名体制である。運営委員会があり、下部組織に47都道府県の各支部がある。各支部は支部長以下、企画・総務部門と、健康保険業務・サービス部門があり、12名以内の評議員による評議会が設置されて、予算と決算、保険料率の変更について意見を聞く。
 役員名簿が示されたが、理事長は小林剛氏(芙蓉オートリース滑ト査役、元富士銀行常務、共同債権買取機構社長)で、総務部長に前職保険課長が就かれた等のようである。
 47名の支部長は民間人で、健保組合出身者が9名おられ、大阪は前大阪連合会副会長の村松俊彦氏が就かれた。

(3) 健保組合の解散問題
   健保組合の解散がマスコミにも大きく取り上げられ、健保組合に大きな不安をもたらせている。健保連としては、会員組合との連携強化に努め、現状と将来見通し等を分析して、解散組合を生じさせないことを目指す。
 当面の取り組みの推進として、個別組合の財政状況分析、交付金交付事業の効果の検討等や本部部長の地区別担当による連携強化を行う。継続的課題としては、国の財政支援強化の要請等がある。
 毎年20組合ぐらいの減少があるが、現在の健保組合は、新たな高齢者医療制度の施行に伴う財政状況の悪化等極めて厳しいものがある。
 

2. 本部委員会報告

(1)

施設委員会

 

 大阪で委員会を開催し、旧病院の跡地を見た。
 中央病院の状況は、3年計画の2年目で患者がかなり減少し、診療収益は入院、外来とも予算数値を下回っている。健診受診者は非常に増加し健診収益は計画を達成しているが、トータルするとかなり厳しい状況になっている。
 東京の健保会館であるが、ビル自体が築45年になり、建替も含めて来年度予算に向けて一つの方向性を出すこととしている。


3. 大阪連合会活動

(1)

広報委員会

 

 かけはし10月号の編集概要の報告があった。

(2) 組合業務委員会
   上期の事業報告、反省点を議論し、後半の諸事業について打ち合わせた。事務長研修を予定しているので大勢の参加をお願いしたい。
(3) 保健共同事業委員会
   20年度の講座関係について、健康教室4回、健康セミナー4回、心の健康講座2回を開催した。
 今後、10月に健康教室、11月に健康セミナー、健康教室、12月には心の健康講座を予定している。
(4) 総合組合委員会
   大阪の総合組合決算見込み概要について報告があり、保険料率は44組合平均で82・06‰(総合組合全国では80・21‰)、全体と比較すると大阪の総合組合は高い状況にある。拠出金の保険料に占める割合は41・48%と前年に比べ3・79ポイント増加した。

4. 外国医療問題調査報告

 

 訪問機関の調査と視点であるが、メインはドイツである。国民の9割は公的医療保険制度に加入しているが、残り10%は民間保険等である。公的医療保険制度の運営は疾病金庫と呼ばれる保険者組織である。保険料は原則労使折半負担で、保険料の平均は14%になっている。
 疾病金庫間には被保険者の獲得等の競争がある。
 来年の1月1日から全国統一の保険料率となり、15・5%とされる見込みで、統一保険料はいったん医療基金に入り、そこから各疾病金庫に配分される。配分される予算は医療費の95%で、残り5%は各疾病金庫の経営努力となり、金庫間の競争となる。
 公費は、保険給付になじまない給付、出産にかかる部分等に、連邦政府の補助金を入れるということであった。
 ドイツもフランスも医療提供体制で、一般医、家庭医、専門医、診療所、病院の機能分化がはっきりしていた。