広報誌「かけはし」
 
■2008年5月 No.440
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●診療報酬改定に思う
 

 20年度の診療報酬改定は、全体では0・82%の引き下げとなったが、本体部分は0・38%の引き上げとされた。
 前回改定からの課題であった再診料の格差是正は、医師会の抵抗が強硬で、今回も実現には至らず、審議の過程で診療所の再診料の引き下げとバーター的に外来管理加算が見直しの対象に浮上し、時間要件の導入等が図られることになった。
 しかし、「3分診療」と揶揄(やゆ)され、ただでさえ患者と医師の対話する時間が短いとの指摘のある診察、2分程度の延長で果たしてその効果が得られるか疑問である。
 診療所などの再診に付随して算定できる外来管理加算は、目的が不明確であるばかりでなく、患者に対する療養上の疑問に対する応答や注意説明などは医師にとって本来なすべき責務であり、見直しどころか廃止の検討が必要ではなかったかと思う。
 今般の改定で病院勤務医対策として措置された約1、500億円。400億円強は診療所からの移転財源であるが、検証すれば有名無実であったということのないよう、開業医の良識に期待したい。

(第4地区 T・M)

   
●特定健診等のスタートにあたって
 

 手持ちの特定健診等のファイルをさかのぼっていくと、17年4月から専門誌等のコピーの綴込みを始めていた。本番直前にジタバタしないようにと、主婦健診は徐々に受診率を引き上げてきたし、19年度は小規模ながら特定保健指導のトライアルも実施した。
 とはいっても、厚労省の通知を見落とし、3月末に急きょ空腹時血糖検査(全受診者について食後10時間の確保は難しい)をHbA1c検査に切り替えたり、4月に入っても、委託健診機関のなかには安衛法健診と特定健診の結果の表示方式等について決めかねているところがあるので、ジタバタどころか、スタート地点で迷ってウロウロしている状態である。
 ただ、ここまできて思うのは、健診受診率はなんとかクリアー可能だろうが、保健指導は実施率・メタボ減少率ともに先行きの見通しは不透明である。実施率は事業主と協働して引き上げるように努力するが、成果は取り組んだ本人に出してもらうしかない。健保財政が苦しいなか1人に万円単位のお金を使って、成果を出せなかった加入者はどういう目で見られるのだろう。メタボと非メタボの加入者の間に溝ができるのだろうか?健保組合加入者という狭い世界でこんなことにはならないようにしたい。

(第5地区 A・K)

 
●西国三十三所巡礼
 

 「特定健診・特定保健指導」のスタートから早や2カ月が経過しようとしています。果たしてどれほどの人が保健指導を受けてくれるのかと不安の種は尽きませんが、メタボの予防・解消には運動の習慣づけがなによりも効果的とされております。
 お金がかからず身近で継続できる運動といえば、やはり歩くことでしょう。
 でも、ただ歩くだけでは飽きがきて長続きしません。
 そこで、西国三十三所巡りなどはいかがでしょう。西国三十三所とは、近畿2府4県と岐阜県に点在する33カ所の観音霊場の総称であり、三十三の数については、観音菩薩が悩み苦しむ人を救済するために33の姿に変化することに由来します。また、観音菩薩は人間のあらゆる災難を救済するともいわれております。
 第一番から第三十三番までの巡礼道は約1000qあります。歩く自信がなくても現在では車や公共交通機関を利用することもできますが、山門からお寺までは、山道や石段を歩けば30分を要するところもあり、適度な運動になります。
 万歩計を腰に自然のなかを巡るのは心地よく、歩く意欲もわいてきます。さあ、健保組合の職員から率先して運動の習慣づけをしてみてはいかがでしょう。

(第6地区 S・Y)
 

 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へ送ってください。
問い合わせは、健保連事務局・辰巳(06-4795-5522)へ。