広報誌「かけはし」
 
■2007年2月 No.425

 健保連大阪中央病院は1991年に健康管理センターを開設し健康診断を実施してきました。2000年の病院の移転新築時から6階1フロアすべてを健診専用フロアとすることで診察から身体計測、レントゲン検査、心電図検査、超音波検査、採血を含む検査だけでなく検査終了後の結果説明までのすべてを1フロアで行っています。
 当センターで行っている健診には大きくわけて2つのメニューがあります。ひとつは、いわゆる健康診断で、一般健診A、一般健診B、胃の病気や生活習慣病に重点をおいた生活習慣病健診、女性の疾患中心のレディース健診に加えて2005年からは政府管掌健診の受け入れも可能となりました。もうひとつは、ドック健診です。ドック健診は半日ドックと2日ドック(1泊2日人間ドック)を行っていますが、専属医師による実施検査すべての結果説明、そしてその結果で生活習慣を含めての保健指導の必要な方や希望者には専属保健師による保健指導を行っています。午前中の半日で終了する半日ドックはとくに好評で早めの予約をお願いしています。
 2006年5月からは、月に1回女性専用の健診日を設けました。この日の受診者すべてが女性であることはもちろんですが、診察医(内科・外科・婦人科)、心電図検査技師、エコー検査技師、胸部X線検査技師等の健康管理センターのスタッフも女性で、女性だけのための生活改善講座も同じフロアで開催し、これも好評をいただいております。
 健診を受診された結果、さらに精密検査や治療が必要な方にはドック受診者だけでなく、一般健診、生活習慣病健診、レディース健診の受診者を含めて当院の外来を紹介し、初診料不要の再診扱いで受診していただき、健診結果を踏まえたフォローが可能な体制を整えています。
 現在、皆様方のおかげで受診される方も年間2万人を超え、ご存じのように2008年度(平成20年度)からは特定健康診査・特定保健指導制度が導入されることもあり、生活習慣病センターとしての機能を充実させるため現在のフロア(6階)に加え、さらに1フロア(8階)を健診専用フロアへ転用して皆様方のご要望に十分にこたえられるようリニューアル工事を始めております。
 フロア新設に加えて、ソフト面でも主に次のような変更を行います。

@特定健康診査・特定保健指導制度も含めた生活習慣病センター機能の充実・強化
 (2007年度から試験的に実施し、2008年度からは制度に基づいて実施)
A一般健診の終日(午前および午後)実施(現在午前中だけ)
B半日ドック、生活習慣病健診を中心として受け入れ人数の拡大
C経鼻胃カメラによる胃健診
D胸部X線・胃カメラ・超音波検査画像のフィルムレス(院外貸し出しはフィルム)

 一層充実する健康管理センターのご利用を、今後ともよろしくお願いします。

 

 皆様方にご利用いただいております健保連大阪中央病院も、新築移転以来7年が経過いたしました。その間に医療を取り巻く環境は大きく変化し、ますます厳しい状況になりつつあるのはご存じの方も多いと思います。とくに最近注目されるのは、治療医学から予防医学へと医療政策が大きく転換されたことです。
 そこで皆様の大阪中央病院も健保連大阪連合会と連携をとりつつ、病院運営に関する検討会を重ねてまいりました。その結果、5つある病棟の1つを健診センターに転用し、生活習慣病などの予防医学にも重点的に対応することになりました。
 現在改造工事中ですが、4月にはオープンの運びとなる予定で、健診センターのスペースは倍増され2フロアとなります。これによりまして、これまでにも増して生活習慣病センターとしての機能を一層充実することができ、多くの方々に快適な環境でご利用していただけるものと確信いたしております。また派生効果として、看護師を再配分することにより看護基準の7対1も取得いたしましたので、快適な入院環境も整備することができました。
 以上、大阪中央病院は今年を改革元年と位置づけ、予防医学と治療医学の両面においてさらなる充実を図ってまいりますので、皆様方のより一層のご利用をお待ちいたしております。

 

 昨年の医療制度改革では、医療費適正化のため生活習慣病の予防が最重要目標として打ち出されています。今後、保険者は特定健診・保健指導を行うことが義務づけられましたので、当病院が以前から取り組んできたテーマである生活習慣病対策を強化するとともに、その体制づくりと医療サービスを充実させていかなければなりません。
 「大阪中央病院運営問題検討会」の検討結果、生活習慣病予防の拠点としての役割を果たすというのが結論です。その具体的改善方策として、@1病棟階を健診・ドック事業に転用し、「生活習慣病センター」として大きく病院の機能の転換を図るA診療科の見直しB生活習慣病センター機能強化のために医師の確保等を含め、内科系医師の充実を急ぐ─こと等があげられました。
 今後は、「大阪中央病院・生活習慣病センター(仮称)」と位置づけ、健診だけでなく、蓄積された健診データをもとに、レベルの高い保健指導等のフォローアップを行い、国が取り組む健診・保健指導の標準化方策のモデル病院を目指し、健診・ドック事業の拡大を大いに期待します。

 



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