前回3月には、大阪連合会が「新たな高齢者医療制度を含む新提言」を説明し、それを中心に意見交換を行ったが、今回は、日本医師会が本年6月7日に公表した「医療制度改革における日本医師会の考え方」と6月21日に閣議決定された「骨太の方針'05」の説明を大阪府医師会から受け、意見交換を行った。また、大阪連合会からは7月に取りまとめた「健保連の新提言」の加筆修正部分を中心に説明した。
まず、大阪府医師会は、国民皆保険の堅持と老健拠出金・退職者給付拠出金の廃止および新たな高齢者医療制度の創設は健保連と一致していると述べた。
大阪連合会から「医療費の総額抑制については、何らかの抑制策を講じないと国民皆保険の崩壊につながる」と指摘したのに対して、医療の安全や質の確保、さらには必要な医療さえも提供できなくなるとし、政府が提案しているGDPなどの経済指標を用いた医療費総枠管理は医療にはなじまない。また医療の効率化も十分行っていると強調した。
つぎに、高齢者医療制度では、大阪連合会が「対象年齢が75歳以上では、男子平均寿命まで3年しかなく範囲が狭いのではないか」また「財源としての国民的共助とは具体的に何か」と質問したのに対して、65歳以上では、加入者数が膨大になりすぎること、平均余命や健康弱者となる割合が高くなる年齢を勘案すると、75歳以上が適切と述べ、国民的共助の中味は、消費税、高額所得者負担、タバコ税等が考えられるとした。
また、65歳以上75歳未満の医療費財源について、大阪連合会から、「拠出は適正な保険料という型で透明性のある明確なものにすべき」と発言したのに対し、大阪府医師会は賛意を示した。
その他、レセプトの電子化については、大阪府医師会から、審査方法、データ管理などさらに検討が必要であるとし、健康保険被保険者証のカード化については、本人確認ができることを望む等の意見があった。
大阪連合会からはIT化は、避けて通れない課題であり、お互いに議論しながら積極的に推進していきたい旨、主張した。
大阪府医師会との意見交換会は、双方から忌憚ない意見を出し合い、それぞれの立場を尊重した議論が行われており、今後も継続して実施していくこととしている。 |