平成十五年三月、閣議決定された医療制度改革基本方針では、高齢者医療制度は、六十五歳から七十四歳までと、七十五歳以上の高齢者を、いわゆる前期高齢者と後期高齢者とに区分し、前期高齢者は従来の医療保険に加入し制度間での財政調整を取り入れ、後期高齢者は独立した制度とする、とされています。
健康保険組合連合会といたしましては、高齢者医療制度の方向性について、七十五歳の前後で区分する合理的根拠は明確でなく、加えて、年金受給年齢や介護保険との整合性の観点からも、六十五歳以上の高齢者について、独立した医療保険制度とすることが実態に即しているとの観点から、本年三月、『新たな高齢者医療制度の創設を含む医療制度改革に向けての提言』をまとめ公表するとともに、五月二十五日に開催された、社会保障審議会医療保険部会において、厚生労働省案への対案であると同時に、改革論議の進展を促すため、この『新・提言』をあらためて主張致しました。
この『新・提言』は、別添のとおりであり、高齢者医療制度の骨子は、社会保険方式を前提とした上で、@六十五歳以上の高齢者を対象とし、六十五歳未満の一般医療制度と別建ての制度とする、A若年者負担が過度にならず、また拠出金制度の問題点が排除された制度とする、B保険者機能を発揮し医療費適正化の刺激策が働く仕組みとする、であります。
ところで、全国千五百六十余の健保組合の平成十七年度予算ベースでの老人・退職者の拠出金が保険料に占める割合は、三十六・四%と依然として高い割合を占めており特に退職者給付拠出金は、対前年二・〇ポイント増の十四・五%に大きく増加し、健保組合財政が拠出金により左右される状況は変わっておりません。
国庫負担もなく唯一自立する健保組合保険者が、上限のない拠出金に左右されることなく、一日も早く安定的な事業運営ができるよう、是非、改革の早期実現にご尽力賜りたく要望いたします。
平成十七年六月十二日
健康保険組合連合会 大阪連合会
会 長 加 藤 幹 雄
民主党大阪府連代表
衆議院議員 平野博文 殿
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