─大阪連合会 加藤会長あいさつ─
健保組合は、拠出金負担で長年苦労してきている。今年の予算集計では、財政状況が改善されているものの依然として約半数の組合が赤字である。
大阪では解散などで平成12年当時の233組合が現在197組合と大幅に減少しており、厳しい状況が続いている。
医療制度改革論議が全体として遅れているなかで、過重な拠出金を廃止し、フェアな高齢者医療制度の実現を悲願として今回提言としてまとめた。
現在、各地区で説明会を開催し世に問うて批判を仰いでいるところである。
─大阪府医師会 酒井会長あいさつ─
医療制度改革に関する提言を日本経団連や経済同友会も公表しているが、いずれも経済活性化と持続可能がキーワードになっている。本当に患者や国民の視点にたっているのか。
医療費の上昇は、医師のためのものでなく患者のためにある。少子高齢化や医療の高度化等により医療費は当然ながら増える。経済活性化のために国民負担率が考えられている。国民が何を願っているかよく見極めなければならない。拠出金廃止には賛成であるが、医療費はかかるものであり、国民の理解を得たうえで欧米並みに医療費の総枠拡大を訴えていきたい。
続いて山本常務理事(兼松連合健保組合)から「新たな高齢者医療制度」について説明を行った。
医師会側からの意見は次のとおりである。
1.日本経団連・経済同友会は経済ありきの考え方だが、そちらに傾いていることに危惧の念を持つ。
2.事業主負担がどの程度になるのか明らかにされていない。
3.介護保険との整合性とあるが、介護は生活部分、医療と混同するのはどうか。
4.高齢者負担の水準、低所得者の範囲はどの程度か。
5.運営調整機構と中医協の関係。
6.60歳(定年)から65歳未満の医療をどう考えているのか。
7.75歳以上は、社会保険方式では成り立たないのではないか(社会保障方式のほうがよい)。
8.日本の医療費は世界的にみて決して高くない。この点があまり議論されていない。社会保障費の配分についてはどう考えるか。
9.国民は、生活保障は必要最小限で納得されるが、医療保障については必要最適を求めており、医療コストはかかるがどうか。
10.医療費の無駄をなくすためには、効率のよい受診の仕方など健保組合で患者教育を強く進めてもらいたい。
これら意見に対し、健保連の考えを述べた。
1.事業主負担は当然あるが、今後詰めていかなければならない。
2.運営調整機構は費用負担者ばかりの審議機関であり、中医協とは違う立場である。診療報酬は、中医協の場で決められる。
3.医療費は命に関わるもので、国民の生命を守ることは重要である。
医療費を目的税化することが必要で、提言では消費税等と明記した。
医療費の無駄を合理化しながら社会保障目的税のような、現在の財政歳出から切り離したファンドを創設する必要がある。
4.被保険者教育をはじめ、健診で早期発見に努めている。家族へのアプローチが難しいのが現状で、保険者協議会での機能も活用していきたい。
5.大阪の健保組合は東京に比べ保険料率も高く、運営が厳しい状況にある。
その他、多くの意見交換がされ、大事な情報交換の場となった。 |