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竹山政美氏 |
腎臓は尿を作る器官で、背骨を挟んで左右に一つずつあります。一つの腎臓に100万個以上あるネフロンという組織で尿が作られるほか、体内環境のバランス維持、血圧調整、造血の補助、ビタミンDの活性化などの働きがあります。
腎臓病の危険信号は全身のむくみや尿の変化、体のだるさ、食欲減退など。尿タンパクや尿沈査、血液検査のクレアチニンや血中尿素窒素の数値にも要注意。
腎臓病は腎臓そのものが悪くなって起こる場合と、他の疾患から影響を受けて発症する場合があります。ほとんど自覚症状がなく進行するので早期発見が重要です。腎臓病には原発性糸球体腎炎や糖尿病性腎症、腎硬化症、多発性のう胞腎などがあり、なかでもIgA(免疫グロブリンA)腎症は日本人に多く見られます。悪化すると慢性腎不全に陥り、透析が必要になることもあります。そうなると回復しません。進行をくい止めるためにも早期の治療で腎臓をいたわりましょう。治療には食事療法や薬物療法、透析療法、腎移植などがあります。血液透析は体内の老廃物や水分を除去して血液をきれいにする治療法。腹膜透析という方法もあるので、ライフスタイルや環境に合わせて選択します。
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