広報誌「かけはし」

■2003年9月 No.384


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 京阪電車枚方市駅北口近くの狭い路地に「右大坂みち」の石柱が残っている。京街道と磐船街道の分岐点を示す道標だが自販機などにはさまれて捜すのさえ難しい。そこから線路に沿って旧街道を枚方公園駅の方へと歩くと、創業明治16年というみそ屋(建物は約200年前)や老舗の菓子匠などがあり、今も随所に当時の面影が見られる。
 江戸時代、東海道の延長部として整備された京街道は伏見、淀、枚方、守口の宿場が設けられ、東海道五十七次の五十六番目にあたる枚方宿は本陣をはじめ旅籠屋、茶屋などが軒を連ね大いに賑わったという。
 


  マップを見ながら京街道を枚方公園駅方面に向かって歩くと、旅人の足元を照らした常夜燈、参勤交代のおり、枚方宿で大名一行が宿泊したとされる本陣跡(今は三矢公園に)、近辺に数多く点在する社寺の中でも街道筋に面した浄念寺は、各種の寄合場所や身分の高い旅人の宿舎にも利用されたという。その前は屈曲した「桝型道路」となっており、容易に外部から侵入しにくい構造になっていて興味がそそられる。市の指定有形文化財で、平成13年7月に市立枚方宿資料館として生まれ変わった鍵屋は、天正年間(1573年頃)創業の船宿として栄えた歴史ある建築物。休館(火曜)以外はいつでも見学でき、模型や映像を使っての資料館は一見の価値がある。ここから枚方公園駅までは徒歩で約5分と近い。

今も残る常夜燈

資料館となった鍵屋