多くの人がアルコール依存症を誤解していますが、その症状はたったひとつ「飲酒のコントロール障害」です。つまり、飲み過ぎるコントロール障害が中心で、それに「身体合併症」、家庭や職場など「社会的障害」、うつ・自殺などの「心理的障害」といったさまざまな問題が絡み合うのです。
コントロール障害に関する誤解として、飲み過ぎる原因を「ストレス・悩みがあるから」「寂しいから」「失恋したから」だろうと理由付けしがちですが、それはきっかけに過ぎません。また「意思が弱いから」「責任感がないから」「性格が弱いから」というのは最も多い誤解です。
アルコールは依存性の薬物であり、飲酒をする人はだれでもアルコール依存症になる可能性がありますが、しかしすべての人がなるわけではありません。 依存を進めやすい条件として「身体依存がつきやすい素質、飲める体質」(遺伝病ではない)、「若年からの飲酒」、「日常的な飲酒」(加速度がつく)、安定剤や睡眠薬など「他の依存性薬物の乱用」、「胃切除」、そしてホルモンの関係により「女性は男性よりも依存がつきやすい」ということがわかっています。その他「環境・文化・神経症・うつ病など」、が挙げられます。
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