膝関節には半月板という三日月型の軟骨の板があります。これがけがや加齢によって断裂する場合があります。レントゲンでは異常がとらえられませんが、動くと腫れます。また、円板状半月板という生来半月板が非常に分厚い人が東洋人の3〜4%にみられますが、その場合、半月板が自然に断裂して、多くは手術に至ります。MRIで診断できるので、子どものうちに発見しておきたいものです。
中高年者で膝が痛い場合は内側半月板が次第に断裂して、水がたまる場合があります。そういう人は関節鏡視下手術で悪い部分を切除します。しかし、損傷部を取れば症状はなくなりますが、半月板は体重を支える大切な部分です。現在は若い人の半月板の損傷に対しては断裂部を接着術で温存する方向になっています。
膝の痛みの原因には靱帯損傷もあります。前十字靱帯損傷は関節鏡視下手術で自己組織を移植して再生できます。一方、内側側副靱帯は、前十字靱帯が損傷していなければ、手術も固定も不要です。早めに動かした方が早く回復します。
膝の痛みはまず原因を知らなければいけません。膝が痛いから電気を当てるという治療では、間のロジックが抜けています。必ず専門医の診察を受けてほしいと思います。
|