広報誌「かけはし」
■2001年8月 No.359
 
健保連が医療機関情報検討委を発足
患者の選択基準、ニーズも調査

健保連は、「保険者機能強化の観点からの医療機関情報の提供の方策研究事業検討委員会」を設置した。医療に関する情報は、従来から患者、医師間の非対称性が指摘され、患者主体の医療の選択を促すために、その解決が求められている。また、患者や被保険者に対する適切な情報提供は、保険者機能の強化に向けた重要な課題とされており、最近では経済財政諮問会議の「基本方針」や総合規制改革会議の「中間とりまとめ」なども、こうした考えを打ち出している。健保連は、これら社会的な要請も踏まえ、▽医療供給側の協力▽患者自身の意識改革▽具体的な情報システムの整備―なども視野に、健保連、健保組合が取り組む情報提供のあり方を検討し、14年3月初旬をメドに報告書の策定をめざす。また、秋以降、患者の情報ニーズの把握を目的に、調査を実施し、議論に反映させることとした。
 医療機関情報提供・方策検討委員会は、8人の健保組合代表者と、医療関係者や労使団体代表者を含む10人の学識経験者を招き、幅広い視点からの議論を求める。座長には、医療情報開発センター理事長の開原成允氏が就任した。
 健保連は、患者中心の医療を実現するための啓発活動の一環として、インターネットを用いた国民向けの医療機関情報提供サービスを検討しており、同検討委の報告は、この新たな事業への提言として位置づけられる。健保連から発信する情報のあり方を、受け手の立場や医療供給側からの視点も踏まえ検討し、現行制度の枠組みや、さらにこれを超えた情報収集と提供の可能性なども模索する。
 また、インターネットによる情報提供サービスの具体的な体制のあり方などについても、意見を求めることとしている。
 
委員会のメンバーは次のとおり。50音順。(敬称略)
[健保組合」
▽今井達夫(東芝健保組合顧問)
▽置田榮克(健保連大阪連合会専務理事)
▽木割昭雄(大阪府建築健保組合常務理事)
▽下角勝良(安田健保組合常務理事)
▽対馬忠明(新日本製鐵健保組合理事長代理)
▽服部正雄(トヨタ自動車健保組合常務理事)
▽山口輝雄(東京海上健保組合常務理事)
▽横田幸二(トランス・コスモス健保組合常務理事)

[学識経験]
▽内山映子(慶應義塾大学大学院政策メディア研究科(村山研究室))
▽開原成允(医療情報開発センター理事長)
▽亀田俊忠(亀田総合病院理事長)
▽高橋泰(国際医療福祉大学医療福祉学部医療経営学科教授)
▽奈良昌治(日本病院会副会長)
▽西澤寛俊(全日本病院協会副会長)
▽花井圭子(日本労働組合総連合会総合政策局生活福祉局次長)
▽花井壮太郎(国立循環器病センター運営部高度情報専門官)
▽平井康行(日本経営者団体連盟環境社会部次長)
▽和田ちひろ(杏林大学保健学科成人保健学教室)