広報誌「かけはし」
■2001年4月 No.355
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●ついに赤字転落万歳!
  予算の作成のたびに、計算式から導き出された拠出金の額に憤りを感じ、また話だけで全く手が着けられていない―国会用語では「善処している」―国の制度改革を憂えておられる健康保険組合関係者の皆さま、ご機嫌いかがでしょうか。
 私どもの健康保険組合も、皆さんの仲間入りが果たせそうです。やっと今年度こそは赤字になる見通しです。拠出金が保険料収入の4割を超えてくれたおかげでしょうか。
 「おたくは、よろしいなあ。別途積立をたっぷりもっていやはるさかいに」といつもうらやましがられておりました。そりゃそうです。私どもの保険料率は上限なのですから。
 私たちの先輩が、もう何年も前に引き上げてくれて以来、毎年貯金に励んで参りました。別途積立金が多いがために、国の補助金はいつも申請対象外。ひたすら、お上のために被保険者の血と汗の結晶を捧げてきたわけです。
 これからは、積立金を食いつぶし、世間並みになるべく、保険料率をゼロにしようかなどと考えている今日この頃です。 (A・U)
   
●ストレスで医療費増?
  老人保健拠出金の増大で健保財政は極めて厳しく、さらに介護保険制度で新たな保険料の負担が被保険者に課せられ、健保組合への風当たりは最悪です。
 そんななか、われわれ弱小健保組合がいかに血のにじむような自助努力をしているか、国保や政府管掌の保険者や被保険者の皆さんに聞いてほしいと思います。
 まず第1は、第3者行為による医療給付の求償を見逃さないよう、レセプトの点検と疑わしい状況についての事情聴取を徹底しています。交通事故の相手が自転車の場合でも求償を得ることさえあります。
 さらに、柔整師施術で、単なるマッサージのための施術や整形外科との「はしご受診」などをなくすための指導も。しかし、結果として被保険者には嫌な思いをさせることになります。
 傷病手当金の申請が業務上の原因でないかどうかとか、継続療養申請に対しても過去5年間の調査も手を抜けません。
 そして、介護保険への転換を進めるための訪問指導。老人保健拠出金の軽減を図るための究極の事業とはいえ、こうした指導は被保険者に気を遣います。
 それやこれやで健保職員の業務上のストレスはたまる一方です。そのせいで医療費が増加するのではと、本気で心配しているありさまです。 (象印マホービン・戸田省吾)
 
●約束守ってや!
  抜本改革先送り、もたつく介護保険、改正健保法案廃案、遅れて小手先だけの健保法一部改正、政権不安定、本年夏の参議院選挙、少子高齢化の加速……。
 森総理ではないが健保組合も「四面楚歌」の状況である。
 本年1月、「抜本改革を14年度中に実現することは困難」(日本医師会坪井会長の見解)や「医療制度改革は14年度には完結しないだろう」(近藤厚生労働次官の発言)との記者会見の記事が掲載されたのは皆さんご存じの通り。その後、近藤厚生労働次官に対する健保連副会長の直談判で訂正発言や厚生労働大臣の「14年度改革法案提出の方針に変更はない」等報道がされているが、この発言のなかに嘘はないのか、嘘はないとしてこれまでことごとく反対してきた日本医師会やその日本医師会に弱い自民党と、改革の合意形成が1年やそこらでできるのか疑わしく感じるのは私だけではないと思う。
 改革実現に向けて努力するとか従来の方針通りとかの言葉は、努力したが……、方針に変更はないのだが……、などの逃げ口上の言い訳に使われる可能性があり注意して見守らなければいけない。
 今我々健保組合のおかれている状況は、何とか浮いてはいるが今にも沈みかけているドロ船に乗っているようなもの。負けられません勝つまでは の気概で頑張らなければ、対岸にたどり着く事なく、川の中程で水中へと沈没してしまう運命にあるのです。 (T・S)
 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
<原稿の送り先> 健保連大阪連合会事務局 FAX. 06-4795-5555
<問い合わせ> 事務局・大西まで  TEL.06-4795-5522