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■2001年2月25日 No.353 |
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医師、歯科医師の臨床研修制度について、その内容を教えてください。 |
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医学部の学生は卒業して、医師国家試験に合格すると、大学病院や指定された一般病院などに研修医として2年以上勤務、先輩医師の指導のもとに、実際の患者を診療しながら臨床医学の技能を修得します。
臨床研修は大学病院が全体の約8割を占め、残りの2割強が全国約300カ所の臨床研修指定病院で研修を受けます。
以前はインターンという制度があり、医学部を卒業した学生は、大学病院で1年間、さまざまな診療科を回って臨床研修を受けたうえで、国家試験を受験しました。しかし学園紛争などの影響もあり、昭和43年の医師法改正で現行制度に移行した経緯があります。
ただ1人前の医師になるには臨床研修は不可欠であり、欧米では、ほとんどの国が臨床研修を義務付けていますが、わが国の現行医師法では努力規定になっていて義務化されていません。
このため厚生省(現厚生労働省)は2年間の臨床研修を義務化する方向で制度改正を検討していましたが、昨年11月30日に医療法等の1部を改正する法律案が成立しました。
改正内容は、医師は平成16年4月から2年以上、歯科医師は平成18年4月から1年以上の臨床研修を必修化します。また臨床研修に専念し、その資質の向上を図るよう努めなければならないこととし、臨床研修の専念義務を設定しています。
そこで、臨床研修を効果的に進めるために指導体制の充実、研修医の身分の安定および労働条件などの整備が必要となります。特に研修医の給与に関してはその財源をどう捻出するかが大きな議論となるでしょう。
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