広報誌「かけはし」
2000年12月25日 No.351
健保問答
   
  ●被扶養者の認定
     
Q
被保険者の17歳の男性は同居中の女性(17歳)との間に扶養の事実がありますが、配偶者として被扶養者の認定はできますか。
A  健康保険の被扶養者の範囲は次の通りです。
 被保険者の直系尊属、配偶者(婚姻の届出はしていないが、事実上、婚姻関係と同様の事情にある者を含む)、子、孫、および弟妹で、主として被保険者により生計を維持している者。(健康保険法第1条第2項)
 このように、被扶養者としての配偶者の取り扱いは、事実婚、いわゆる内縁関係の者も被扶養者として認められます。
 しかし、例えば、法律上の妻と別居していて、他の女性と同棲している場合(重婚)、再婚禁止期間内の婚姻、直系姻族間の婚姻など民法上、婚姻が禁止されている場合の事実婚は、被扶養者として認められません。
 これは、健康保険の配偶者(婚姻)の考え方が民法の規定を準用しているからで、健康保険法上の「届出ヲ為サザルモ…」の届出とは、婚姻の届出のことで、民法上でも届出をすれば認められる状態にあることと解されているためです。
 さて、設問の場合ですが、民法第731条に「男は満18歳、女は満16歳にならなければ婚姻することができない」とあります。被保険者の男性は婚姻年齢に達しておらず、事実上、婚姻状態にあったとしても、民法の規定により婚姻届が受理されませんので、同居中の女性を配偶者として被扶養者の認定をすることはできないことになります。