広報誌「かけはし」
   
■2006年12月 No.423

─次世代につなぐ安心・納得の医療制度を─

 

 平成18年度健康保険組合全国大会が、11月20日(月)東京・丸の内の東京国際フォーラムで開催された。大会には全国の健康保険組合関係者約4,000人が参加した。
 大会は、福岡道生健保連会長の基調演説に続き、柳澤伯夫厚生労働大臣のあいさつがあった。引き続き対馬忠明専務理事から最近の情勢報告および決議の趣旨説明の後、「IT化推進による患者中心の医療の実現」、「特定健診・特定保健指導に対する国の適切な支援の実施」、「実効ある高齢者医療制度の実施と医療費適正化の推進」、「保険者機能が発揮できる社会保険方式の堅持」の大会スローガンを全健保組合の総意で決議し、改革に臨む決意を新たにした。

 


 

決           議

 今般の医療制度改革は、長年の懸案であった高齢者医療制度の創設や、生活習慣病予防対策を中心とした医療費適正化の取り組みに加え、レセプトオンライン化など医療保険分野のIT化にも道筋をつけるものであり、将来にわたって持続可能な医療保険制度に向けた第一歩として評価する。
 しかし、成立した医療制度改革関連法には、問題点も多く残されている。特に、20年度からの新たな高齢者医療制度や特定健診・特定保健指導の義務化など改革の実効をあげるためには、国による財政的支援と人材育成等の多面にわたる環境整備が不可欠である。それと同時に保険者の連携した取り組みが必要である。
 健康保険組合は、自主・自立を基本とする「組合方式」を基盤に、国民皆保険制度の担い手として常に先駆的役割を果たしている。われわれは、次世代につなぐ安心・納得のできる医療制度とするため、制度の中核を担う保険者として使命と責任感をもって、着実に取り組むことを固く決意する。
 政府は、改革実現に向けたわれわれの決意を真摯に受け止め、改正法の円滑施行に向けた環境整備に積極的に取組むべきである。
 よって、次の事項の実現を期し、組織の総意をもってここに決議する。

 1. IT化推進による患者中心の医療の実現
医療保険分野のIT化は、医療の質の向上や効率化・標準化、患者が自己選択できる医療機関情報等の提供を推進させる原動力であり、ひいては「患者中心の医療」を実現するための大きな力となる。
これを進めるためには、簡素な診療報酬体系の構築など、レセプトオンライン化を中心とするITに対応した環境整備を強力に推進すべきである。
 2. 特定健診・特定保健指導に対する国の適切な支援の実施

特定保健指導を中心とした生活習慣病予防対策を積極的に遂行し、国民の健康の確保と医療費適正化の実効をあげていくことは、保険者の重要な責務である。

政府は、特定健診・特定保健指導の円滑な施行に向けた環境整備を積極的に行うとともに、保険者に対する適切な支援を実施すべきである。
 3. 実効ある高齢者医療制度の実施と医療費適正化の推進

将来にわたり持続可能な高齢者医療制度とするため、都道府県を単位とした広域連合には、保険者として真に実効ある組織運営が求められる。

このため、改正法に明記された医療費適正化策のほか、国会の附帯決議に盛り込まれた高齢者医療制度の運営に対する費用負担者の関与について確実に実行し、高齢者医療費の抑制と制度全体の安定化を図るべきである。
 4. 保険者機能が発揮できる社会保険方式の堅持

保険者が相互に競争し保険者機能を発揮してこそ、医療の質の向上や制度の安定化につながる。

このため、医療保険は自助・共助にもとづく社会保険方式を基本とし、被用者保険と地域保険の二本建ての体系を堅持すべきである。
  

平成18年11月20日 

平成18年度健康保険組合全国大会
─次世代につなぐ安心・納得の医療制度を─
  

 

特別シンポジウム

 全国大会決議に引き続き、「問われる保険者の役割─患者中心の医療の実現をめざして─」をテーマに、「特別シンポジウム」が開かれた。
 厚労省保険局総務課長の唐澤剛氏、日本放送協会解説委員の飯野奈津子氏、東京都稲城市長の石川良一氏、安田健保組合理事長の小方浩氏が、埼玉県立大学保健医療福祉学部教授の宮武剛氏のコーディネーターのもとで協議し、職域と地域の保険者がそれぞれの立場を超え、協力のもと患者中心の医療を目指すことを確認した。また、保険者機能の強化へ、IT化促進が共通の課題であるとの認識で一致した。