広報誌「かけはし」
 
■2005年4月 No.403

   3月23日(水)、健保連大阪中央病院で、平成16年度第2回保健師連絡協議会総会が開催され、17年度事業計画・同予算(案)が承認されました。総会後には、新潟大学大学院医歯学総合研究科教授の安保徹氏による特別講演会「免疫力のしくみを知る〜生活習慣病やアレルギーの対応の仕方〜」が実施されました。

 総会は鮫島真理子会長のあいさつで開会したあと、来賓の近畿日本鉄道健康保険組合の福谷和明常務理事があいさつ。依然厳しい日本経済や企業の現状について述べ、「働く人たちは仕事の密度も高く、ストレスも増える一方。ぜひ、みなさまはあたたかい気持ちを持って働く人の応援を」と要請しました。
 議事は議案第1号「平成17年度事業計画(案)」、議案第2号「同予算(案)」が提案され、いずれについても賛成多数で可決されました。総会後、吉田事務局長から個人情報保護法について(別掲)解説が行われました。


鮫島真理子会長

 

特 別 講 演 会
免疫力のしくみを知る
〜生活習慣病やアレルギーの対応の仕方〜
 

新潟大学大学院医歯学総合研究科
免疫学・医動物学教授
安保 徹氏

   生き方が病気を招く
   いま、病気治療は大半が対症療法で、病気の原因はほとんどわかりません。私は10年ほど前から病気の成り立ちについて研究していますが、能力の限界を超えた生き方によって人は病気になることがわかりました。無理や悩みは交感神経緊張による血圧や血糖の上昇を招き、そのような状態が続くと高血圧や糖尿病に至ります。成り立ちがわかると、対症療法ではなく、生き方を正せばいいということがわかります。一方、能力以下の生き方をしている人も、からだの機能が維持できず、病気になります。

安保 徹氏

   自律神経と免疫のはたらきを知る
   リウマチや胃潰瘍、がんなどの発症メカニズムには白血球のはたらきも関与します。白血球はからだを守る細胞ですが、細菌処理の顆粒球はアドレナリン受容体を持ち、交感神経刺激で増加して、活発になります。顆粒球は骨髄でつくられて末梢血に至ります。ストレスで交感神経が緊張し顆粒球過剰になると、粘膜が傷つけられリウマチや胃潰瘍、潰瘍性大腸炎などの組織障害を招きます。
 一方、免疫を司るリンパ球はアセチルコリン受容体を持ち、副交感神経刺激で増加、活発化します。消化管の蠕動運動や消化機能は副交感神経支配で、消化管が活動すると副交感神経優位になり、リンパ球が増加します。リンパ球の多い人は病気知らずですが、副交感神経が過剰に優位になると、リンパ球が増えすぎてアレルギー疾患やぜんそくなどを発症します。
   自然治癒力とは
   健康で正常な組織が、ストレスなどによって交感神経が緊張し、組織障害を起こすと、治癒の際に痛みや熱、腫脹などを起こします。これはすべて副交感神経反射で、なおるためのステップです。ところがこの痛みや熱に消炎鎮痛剤を投与することがよくありますが、それによって結果的に治癒から遠ざかります。自然治癒力とは、細胞や組織が損傷されたとき、代謝を高め、修復する力です。代謝を高めるために発熱し、それが治癒のための力になります。
   がんになったら守るべき4カ条
   がんになる人も顆粒球が増え、リンパ球が減っています。無理などによって交感神経の緊張が続き、血流障害を起こしてがんを招きます。がんとわかったら実施すべきことは1.生き方、生活パターンを見直す、2.がんの恐怖から逃れる、3.消耗する治療は受けない、4.副交感神経を優位にして免疫力を高める、の4カ条。特に食事は大切で、玄米菜食を中心に消化管を刺激するものを選ぶこと。また、湯たんぽでからだを温め、笑いを忘れないこと。それによってリンパ球が増加すれば、いずれがんは退縮します。
 今日の生活環境は本来副交感神経優位で生きていける時代です。ところが、競争社会や人間関係のストレスで交感神経が優位になっています。生き方を見直せば副交感神経優位で生活でき、病気からも脱却することができます。
 
 

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個人情報保護法について

 健保連大阪連合会 吉田國博事務局長 

 今年4月1日の個人情報保護法完全施行にあたり、医療分野や健康保険組合は一層厳格な個人情報の取り扱いが求められるようになります。健保組合には1.利用目的の公表、2.利用目的の理解を得る、3.個人情報保護に対して積極的に取り組む姿勢のPR等の義務、措置が課せられています。

 法律の施行後注意すべきことは1.安全管理対策の確立と体制の整備、2.紙の個人データの安全管理、3.個人情報保護管理体制の構築、の3点。個人情報保護を進めるうえで、従業者の守秘義務条項を服務規程等に設けることなどが重要であり、スタッフへの教育、研修体制の整備が必要です。問題意識向上や個人情報漏えい防止のためには、利用する個人情報の項目を洗い出すことも有効です。

 また、個人情報取扱事業者には、利用目的を本人に通知し、それを超えた利用をしない、安全措置を講じる、本人からの開示・訂正、削除要求などに応じるといった義務があります。違反があれば行政処分を受けるうえ、個人情報の漏えいによる損害賠償など金銭的マイナスや企業価値の失墜にもつながります。個人情報を取り扱うみなさんも十分な注意が必要です。