広報誌「かけはし」
 
■2003年5月 No.380
 

5月1日から施行

〜 健康保険組合への期待 〜

厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室長  大江雅弘


   厚生労働省では、平成12年度より、第3次の中長期的な国民健康づくり対策として、21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)を推進しています。健康日本21が国民運動として着実に進む一方で、平成13年11月、政府・与党社会保障改革協議会による「医療制度改革大綱」において、健康づくりや疾病予防を積極的に推進することがうたわれ、平成14年7月に健康保険法等の一部改正とともに、健康増進法が国会で可決、成立しました。
 

 

健康日本21の進捗状況

   健康日本21では、@健康を増進し、発病を予防する「1次予防」に重点を置く、A健康づくりの具体的な数値目標を設定することにより、健康づくり対策の評価を可能とする、B医療保険の保険者、企業、医療機関、マスメディア、非営利団体など広範な健康関連団体等に参加協力を求め、効果的に個人の健康づくりを支援できる社会環境を積極的に構築する、Cそれぞれの地域における健康上の重要課題を踏まえた目標の設定に加え、地域特性を踏まえて創意工夫に満ちた健康づくりの展開をめざす、といった新たな試みが加えられています。
 現在、地方自治体においては、おのおのの特性を勘案しながら住民の積極的な参画を得た健康日本21地方計画の策定・推進が進められています。さらに、いくつかの健康保険組合や職域においても、健康日本21の方法論を活用し、目標設定型の健康づくり計画が策定されつつあります。このように、地域、学校、企業・職場、さまざまなグループ、家庭、個人でもそれぞれのレベル、特性に応じた健康日本21地方計画が作られ、これに向けた取り組みが推進されることによって、国全体としての健康日本21が進むものと考えています。なお、国の目標は9項目70目標にもおよぶ広範なものとなっていますが、これを参考にしながらもそれぞれの実情を踏まえた計画を作っていくことが重要であると考えています。
   
健康増進法について
   健康増進法は、健康日本21を中核とする国民の健康づくり・疾病予防の推進の法的基盤整備を図るものです。
 本法律においては、国民の健康の増進の総合的な推進に関し、基本的な事項を定めるとともに、国民の健康の増進を図るための措置を講じ、国民保健の向上を図ることを目的としています。また、国は、国民の健康の増進を図るための基本的な方針(基本方針)を策定し、都道府県、市町村は基本方針を勘案して、健康増進計画を定めることとしています。さらには、保健事業等を担う国、都道府県、保険者、事業者、医療機関その他の関係者の相互の連携・協力に努める旨規定しています。
 このほか、生涯にわたる国民の健康の増進に向けた自主的な努力を促進するため、健康診査の実施等に関する指針を定めることや、学校、官公庁など多数の者が利用する施設の管理者に対し、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるよう努める旨規定しており、この法に基づき、健康づくりのための環境整備が一層進むものと考えています。
   
健康保険組合への期待
   健康保険組合におかれては、健康づくりに取り組む団体として大いにその活動に期待しているところです。具体的には、的確な情報提供や健診・健診後のフォローアップの充実など健康づくりに取り組む個人への支援を進めるとともに、積極的に健康日本21の方法論を活用し、各団体における行動計画の策定・実施・評価などをとり入れていただければと考えています。
   
 

「月刊けんぽ」4月号より転載(法研刊)