広報誌「かけはし」
 
■2003年2月 No.377

   健保連は1月17日、坂口厚生労働相ら幹部との意見交換会に出席、昨年12月17日公表された医療制度改革の厚労省試案について意見を述べた。

「厚生労働省試案」についての意見(要旨)
  1.保険者全体を通じて最大の問題は高齢者医療費であり、その財源を確保するために個々の保険者が今後とも継続的に保険料を上げ続けることは不可能であると考えている。
 試案では安定した持続可能な制度を構築していくとしているが、この改革目標を達成するための視点や考え方が明確ではない。
 これにどのように対処していくのかという展望を明らかにすることが、高齢者医療に対する将来不安を解消するために必要である。
 財政試算についても、将来推計が示されておらず、制度の持続安定性が担保されているとは言えない。
 また、診療報酬体系の合理化等、医療費とくに高齢者医療費の抑制・合理化を進めていくことが持続性ある高齢者医療制度を構築するために不可欠である。
2.制度改革の将来の方向としては、一元化を目指すこととされている。その具体的内容は不明であるが、一元化は高齢者医療問題を解決できるとは思われず、国保との統合という方向には絶対反対である。
3.高齢者医療制度については、運営責任を明確にすることを基本とし、現役世代の一般保険制度とは別建ての年金受給者を対象に創設すること。高齢者と現役世代の公平な保険料と公費による運営を行い、拠出金制度は廃止すべきである。公費負担は将来にわたって負担可能な保険料水準となるよう投入されなければならず、公費負担による支援は、消費税等の見直しによって財源を確保し、対応することを検討すべきである。
4.改革の中心課題である高齢者医療問題の解決についてA案では財政調整案が示されているが、わが国のこれまでの保険制度の考え方や実態を無視した一方的な議論であり、全く容認の余地はなく断固反対である。現行の拠出金が保険者のコントロールが全く効かない負担を一方的に際限なく賦課するなど法制的にも問題があり、保険者の自立性を損ない保険制度の危機を招いているにもかかわらず、同様の負担をさらに拡大していくことは不合理というほかない。
5.B案は、現役世代とは別建ての保険制度と運営主体を明確化する考えとも受け取れるが、各制度からの加入者数に応じた新たな支援措置を組み合わせるとしており、これは保険者への賦課方式に他ならず、現行拠出金方式と何ら変わりがないものであると考えられる。また、医療費の効率化が全く働かない形で拠出金に頼る退職者医療制度を存続させることも改革に値しないものがある。
6.都道府県単位での保険者の統合・再編が提起されているが、保険者の運営改善や経営効率化が兼用・実施されずに、単に現状のままの統合や再編では効果はほとんどないと考えられる。政管健保に対する国庫負担を廃止し、健保組合などの負担による財政支援を行うことには反対である。また、健保組合を都道府県単位に再編・統合することについては、自主的な運営の基本理念を否定するものであり、反対である。
7.今後の見通しが不確かな中で、確実に増加を続ける拠出金によって、健保組合は15年度予算編成に苦慮しているところが多い。
 改革は早期に実施されることが必要である。