健保のしくみ

健康保険で受けられる診療と受けられない診療

受けられる診療

保険医療機関に指定されている病院、診療所で保険証を提出し、一部負担金を支払えば以下にある診察、治療、薬の支給等が受けられます。

診察・検査 身体に異常があれば、いつでも健康保険で医師の診察や診察に必要な検査を受けられます。 また、必要があれば往診してもらうこともできます。
※業務上や通勤途上の病気・ケガは『労働者災害補償保険(労災保険)』が優先します。すみやかに事業主(会社)に届け出てください。
薬・治療材料など 治療に必要な薬は、厚生労働省が定める『薬価基準』にのっている薬に限り支給されます。
処置・手術など 注射やいろいろな処置・手術はもちろん放射線治療や精神療法・療養指導なども受けられます。 ただし、研究中のものや医学界で認められていない特殊な治療は健康保険では受けられません。
在宅療養・看護 難病や末期ガン患者の方などが在宅で療養できるように、医師による訪問診療や指定訪問看護事業者の看護師などから、訪問看護・介護サービスが受けられます。
入院・看護 医師が必要と認めた場合、健康保険で入院することができ、入院中はその療養に必要な世話や看護も受けられ、寝具も用意されています。病室は基本的に一般室ということになっており個室など、上級の部屋へ入りたいときは、差額室料を自己負担で支払います。 また、入院中の食事療養については、1食につき決められた標準負担額が必要ですが、栄養管理された食事が支給されます。

健康保険で受けられない診療

健康保険が適用されないのは、差額ベッド代、予約診療・紹介状なしでの200床以上の病院への初診・再診料等です。健康保険が使えない場合は、かかった費用を全額自己負担しなければなりません。

健康保険が使えないとき 健康保険が使えるとき
単なる疲労や倦怠 疲労が続き病気が疑われるような場合
先天的な皮膚の病気(シミ、アザなど) 治療を必要とする症状があるもの
回復の見込みがない近視、遠視、乱視、斜視など 視力に変調があって保険医にみてもらったときの診察、検査、眼鏡の処方せん
美容のための整形手術 けがの処置のための整形手術
健康診断、生活習慣病検査、人間ドック 診察の結果、治療が必要と認められた場合の治療
予防注射、予防内服 傷口から感染している可能性がある場合の破傷風の予防注射
正常な妊娠・出産 妊娠高血圧症候群、異常出産など、治療する必要があるもの
経済的理由による人工妊娠中絶 経済的理由による場合以外の母体保護法に基づく人工妊娠中絶

業務上、通勤途上のケガ・病気

「業務上(仕事中)」、または「通勤途上」の事故、ケガや病気については「労働者災害補償保険(労災保険)」の適用を受けることになり、健康保険による診療は受けられません。
このようなときは、すぐに所属先の事業所の労災担当者への連絡と、病院にかかる際に「労災」の旨を告げることを忘れないでください。

労災の例

  • 通勤の際、駅の階段で足を踏み外して骨折した
  • 社内でキャビネットに指を挟んだ
  • 社内の荷物を運んでいるときに誤って足の上に落とした

※「通勤途上」とは、いつもの通勤経路を指すので、著しい寄り道をした場合は労災とは認められません。