保健事業

退職後の健康管理について

就労中は、勤務先や健保組合からのサポートにより、健康診断や各種がん検診等を受ける機会があり健康管理、健康づくりに関する保健事業を利用できました。
しかし、退職後はご自身で健康管理を実施する必要があります。今後どのように健康を維持し、病気を予防すればよいのか注意点をご紹介します。

年代ごとの健康課題を意識しましょう

退職後の健康管理は将来の健康に大きく影響しますので、年代ごとのリスクを意識して適切な生活習慣を心がけましょう。

年代 代表的な健康課題
現役世代
(60歳未満)
  • 生活習慣病(メタボリックシンドローム)
退職後/前期高齢者
(60~75歳未満)
  • 筋肉量減少(サルコペニア)や運動機能低下(ロコモティブシンドローム)
  • がんや循環器疾患の有病率上昇
後期高齢者
(75歳以上)
  • 体力、感覚機能、運動機能低下
  • 健康障害を起こしやすい虚弱な状態(フレイル)

気をつけたい病気と対策

年齢を重ねるにつれて病気のリスクは高まるので、早期に対策を実施しましょう。

がん・生活習慣病

食生活の乱れや運動不足、睡眠不足、飲酒、喫煙などの生活習慣が影響して発症するとされています。
バランスのよい食事と運動習慣をもち、過度な飲酒・喫煙は控えることが大切。
特にがんは日本人の死因で最も多く、年齢とともに発症リスクが高くなります。
どの年代でも発症するリスクはありますが、女性の場合、子宮頸がんは20代、乳がんは30代から発症するリスクが増えはじめます。

高血圧、糖尿病、脂質異常症

自覚症状が少ないため、進行すると脳卒中や心筋梗塞といった命にかかわる病気を発症する可能性があります。

サルコペニア

加齢に伴って筋肉量が減少し、筋力が低下した状態です。立ち上がりや歩行といった基本動作に影響が出て、放置すると歩行困難になります。適切な栄養摂取や筋トレ等の運動が有効です。

ロコモティブシンドローム(ロコモ)

筋力や骨の衰えにより、移動能力が低下する状態です。放置すると将来的に介護が必要になるリスクが高まるほか、寝たきりになる恐れもあります。片脚立ちやスクワットなどの適度な運動を続けることが予防策となります。

骨粗しょう症

加齢とともに骨の密度が低下し、骨折のリスクが高くなった状態。女性は閉経後に骨密度が急激に低下しやすいため、カルシウムやビタミンDの摂取、適度な運動を心がけましょう。

フレイル

加齢に伴って身体機能が低下し、健康と要介護の中間状態です。ロコモやサルコペニアなどの「身体的フレイル」、うつ状態や軽度認知症などの「精神・心理的フレイル」、社会との繋がり低下による「社会的フレイル」の3要素があります。しっかり食べて体を動かし社会に参加することが大切です。

認知症

脳の病気や障害等の原因により、記憶力、判断力、言語能力の認知機能が低下、日常生活に支障が出る状態です。バランスの良い食事や運動習慣、人的交流、専門機関の認知トレーニングなど早めの対策が重要です。

歯周病

高齢になるほど歯周病リスクが高まります。歯周病は、糖尿病、動脈硬化、骨粗しょう症、誤嚥性肺炎等の病気と関係します。日々の歯みがき、定期歯科健診が大切です。

目の病気(白内障、緑内障、加齢黄斑変性症)

視力や視野の低下により転倒や事故リスクが増加します。白内障、緑内障、加齢黄斑変性等は失明リスクもあるため、定期的な検診を受け早期発見することが重要です。

生活習慣の見直しと改善

退職後は生活リズムが変わり、食生活の乱れや運動不足につながる場合があります。健康を維持するため以下の点を意識しましょう。

適度な運動習慣

ウォーキングやストレッチ、筋トレなどを定期的・日常的に実施し運動不足を防ぎましょう。

バランスのよい食事摂取

1日3食をしっかり食べ、炭水化物、たんぱく質、ビタミン、ミネラル等をバランスよく摂取しましょう。また塩分は控えめにしましょう。

質のよい睡眠

寝る時間、起きる時間を一定に保ち、就寝前のスマートフォン利用やカフェイン摂取を控え、良質な睡眠を確保するよう心掛けましょう。

社会との繋がり

退職後に人との交流が減少することで、孤独を感じやすくなります。趣味を楽しむ、地域活動へ参加する等、社会との繋がりを心掛けましょう。地域活動を紹介している自治体もあります。

定期的に健康診断受診

自覚症状のないまま進行する病気もあるため、定期的な健康診断受診を心掛けて下さい。自治体で実施するがん検診、歯科健診、骨密度検査、認知機能チェック等も活用し、ご自身の病気について早期発見・早期治療をお願いします。

国推奨のがん検診
種類 検査項目 対象者 受診間隔
胃がん検診 問診および胃部X線検査または胃内視鏡検査 50歳以上 2年に1回
大腸がん検診 問診および便潜血検査 40歳以上 1年に1回
肺がん検診 問診および胸部X線検査および喀痰細胞診 40歳以上 1年に1回
乳がん検診 問診およびマンモグラフィ 40歳以上 2年に1回
子宮頸がん検診 問診、視診、子宮頸部の細胞診および内診 20歳以上 2年に1回
子宮頸がん検診 問診、視診、子宮頸部の細胞診および内診/
問診、視診およびHPV検査単独法
30歳以上 2年に1回/5年に1回

退職後も健康でいるために

退職後の健康管理は将来の健康に大きく影響します。年代ごとのリスクをご理解いただき、適切な生活習慣を心がけてください。

※国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入する場合でも、特定健康診査等を受診することができます。
詳細はお住まいの自治体にお問い合わせください。